狂言紋、染めあがりました。

 

お客様のご了解を得て、アップしています。この帯は私は完成までまったく携わっていません。まことに心残りなことでございます。これだけの染めに参加できなかったことは自分の財産が増えなかったような気がして、次にこのようなご注文をいただいたとき、どのように対処するかまったく見当がつかないことが惜しまれるのです。私事はさておきまして、糊糸目の味わいをお楽しみいただきたいのと並んで、お能の席にこのような狂言紋の帯地をお使いいただけるのはとても素晴らしいことだと思います。多くの部分は染め屋さんの感性に負うところが大きいです。長いキャリアーと磨かれた感性が生んだ帯だと思います。わたしが同席して口を挟んだら、もしかすると足を引っ張って駄作になったかもしれないと感じています。わたしの感性の外の世界だと感じましたが、とても勉強になりました。この帯を締めての写真を頂戴できるようお願いしていますので、どのような着姿になるか、みなさまにご覧いただけると思っています。織の帯とちがって、ただ一点の創作になります。わたしはとてもみなさまにお勧めしたいと思っています。普通の染め名古屋と同じ値段です。

格子大島

 

ただいまも生産しております格子柄の大島です。普段のきものとして黄八丈とともに一世を風靡した反物ですが、普段にお召しになられる方が少なくなって、いまは細々としか生産されていません。わたしは、この反物をよく雨コートにお勧めしてまいりました。雨に当たりましても大島の生地は縮むことがございません。生地も薄地で軽く、雨コートとしてはとても適していると思います。それも、ツーピース(上は単衣のコート、下は裾除けの形に仕立てて、楽にハンドバッグに入ります。)に作り、ガード加工をいたしますと、単衣の普段のコートと雨コートの二役を兼ねます。一反の在庫の残り物ですが上手にご利用いただければありがたいことです。¥19,000、-(別税)でおねがいいたします。

ひと月ほどお休みをいただいていました。体調も今一つだったのですが、わたしは趣味としてむかしから読書がございまして、とくに仏教についてはとても関心がありました。私たちの年代の常として、親鸞から入り、やがて禅に興味を持つようになり、座禅に傾倒しました。それが最近は初期の仏教、お釈迦様の説かれた内容になんとも懐かしく温かくこころ落ち着く思いがあり、しばらくの時間はまっていました。最近は多くの学者の方々の地道な研究で、お釈迦様の悟りから布教にいたる歩みがほぼ解明できているかと思います。だからといって、お釈迦さまの悟りの内容がわたしにわかるわけではないのですが、鉄の生産がきっかけとなって、農業の生産が爆発的に拡大し、社会が大きく変化する時代に革命的な思想として仏教が出現したことは素晴らしいことだったと思っています。現代と重ねてみても2500年以前のお釈迦様の言葉は実に核心を突いていると思います。梅原猛さんが仏教を救世の思想とおっしゃられたのも腑に落ちるとおもっています。最晩年に原始仏教に回帰するとはおもっていませんでしたが、なにか温かな気持ちになれる読書でした。

 

 

夏・白大島

 

 

織機で織っていますが、白地の夏大島です。この反物も私が自分の作務衣にしたいと思っていたのですが、一日かけての作務衣の制作が大儀になりまして、断念いたしました。大島はご存知のように糸に撚りがかかっていません。絹糸は撚りがかからなければ水につけても縮むことはありません。みなさまのきものの裏地である羽二重も撚りがかかっていませんから、裏地が縮むということはありません。ですので、昔から旅行は大島が最適・・・と言われてきました。雨に濡れても縮みませんし、軽くて楽なことも大きな特徴です。さて、この大島ですが、わたしは小千谷の麻の代わりにウオッシャブルの作務衣として着てみようと思いました。作務衣でしたら男物にもなる柄です。端をすこし切り湯通しをいたしてみましたが、幅も丈もまったく縮みはありませんでした。みなさまは麻のきものはご自分でネットに入れて洗われます。つまりウオッシャブルでございます。同じようにこの大島もお仕立てなされて、単衣の時期と夏とにお使いいただきたいと思います。麻より丈夫ですし皴にもなりません。洗われましてもアイロンの仕上げはなさっていただかねばなりませんが、普段着としても、また、お稽古着としてもとても重宝なきものになると思います。織機で織った1反だけの大島にずいぶん力をいれて宣伝しているようですが、よくお召しになれる方々は上手に応用していただいて、普段のものは洗いのコストもかからず、高品質のものをご活用いただきたいとおもいます。小千谷の長じゅばんに合わせておめしいただきたいとおもいます。¥29,000、-(別税)でお願いいたします。生地の腰の強さもあり、単衣にも十分お召しいただけます。

大島、100亀甲、きものと羽織

 

男物の大島、きものと羽織もしくはきもの二点が作れる長さです。幅は1尺1寸幅ですから、身長2メートルくらいの方まで裄も身丈も充分にございます。最近は生産量が少なく、値段もしっかりしています。たきちはご存知のような状況ですので処分の値段にさせていただきます。普通の幅ですと市中に安いものがあるのですが、キングサイズのものはしっかりとしています。100粒の亀甲を手織りで織ってございまして、私たちは100山と呼んでいますが昔から男物の代表と言われている大島です。値段は¥165,000、-(別税)でおねがいいたします。ちなみに仕立て上がりますと、裏地羽二重が¥25,000、羽裏¥12,000、仕立てきもの¥21,000、羽織¥22,000、計245,000、-でございます。大島の表生地より安くで仕立て上がります。1点しかございませんがどうぞお求めください。

鈴源・お召しの紬機

 

鈴源さんの先練りの紬糸で織った白生地です。わたしが自分の作務衣に作りたくて無地に染めたのですが、もう自分では仕立てができなくなり、皆様にお求めいただきたく出品いたします。先練りとは言え紬糸で織っておりますのでお召しの用途とは異なり、礼装やお茶席などではお使いいただけません。でも、普段着として、またお稽古着としては品物は鈴源さんのものですから抜群です。色は染め替えも目引きも可能です。お値段は¥38,000、-(別税)でお願いいたします。

米沢・鈴源の男物紬・吟遊詩人

 

東の織物の雄とわたしたち業者がたたえた名門の鈴源さんも一昨年会社がなくなりました。わたしも40年以上取引をお願いして、袴を始め男物はまず鈴源さんを第一候補にいたしておりました。その中で私が自分のきものの紬としてもっとも気に入っていました吟遊詩人が1反残っていました。この紬は真綿を30%くらい噛んでいますので、軽くて温かく照りもなく、私のもっとも多く着たきものです。真綿が入っていますのですこし弱く、袖などは擦れてよく切れができました。この色も今はわたしの作務衣として着用いたしております。紬としては値段も高く、美展では一反17万でお求めいただいていました。いまさら残った1反ですので値段を一人前に申し上げようとは思いませんが、名品には違いございません。¥48,000、-(別税)でおねがいいたします。

 

 

スクイ、名古屋帯、仕立て上がりⅡ点

 

 

 

年をとりますと自分の体も思うようになりません。この帯たちも早くにアップしてご覧いただかねばならなかったのですが、今日になってしまいました。上の桜の柄はわたしはとても評価しています。織り、柄ともに感じが出ていまして、織機ではこのような表情は出ません。スクイならではの雰囲気を持っているとおもいます。下の横段の柄は、一見、織機のように見えますがスクイで織られています。地がまことさんが得意となさるよろけ縞で、夏物のように思われるかもしれませんが、単衣、袷用の名古屋帯です。お茶席のお稽古用帯としても手織りですから柔らかく締めやすい帯です。この後の入荷はなくなりましたのでこの二点でご愛顧いただきましたスクイも終わらせていただきます。仕立て上がり¥59,000、-(別税)でお願いいたします。