小紋、松梅唐草

写真が思わしくなくて、みなさまに興味を持っていただくのはむずかしいかもしれません。ブルーにすこしグリーンがかかっています明るい地色に、松ぼっくりを図案化したものと梅の花の図案を唐草でつないだ紋様です。これから夏に向かう季節に新春にふさわしい小紋をご覧いただきますのも変ですが、いい小紋に会えたときが求める時だとおもっています。小紋としては華やかさがあり、新春の装いにふさわしい雰囲気をもっています。たきちの小紋としては値段が高いのですが、実物をごらんいただきますとご理解をいただけるとおもいます。いつものように値段も染め屋さんも表記できないのですが、手に取ってごらんいただきたい魅力的な小紋でございます。

楽器の柄、小紋

めずらしい楽器の柄の小紋をおたのしみください。地色は黒地で、手描きの作品です。最後の写真は裏側からの写真です。筆をとって描いていますので染料が裏まで通っています。染料でなく顔料ですと、生地の中に入らず、上に乗せる描き方になりますので、裏まで染まりません。一般的に顔料は退色がございません。染料は、淡い藤色やブルーなどは退色が激しいです。沖縄では光線が強く染料ではすぐ退色しますので顔料を用います。顔料はにじみもありませんから、紅型は一枚の型紙で顔料を使って摺り染めにいたします。この小紋は典型的な京友禅で、図案を糸目で伏せ、地色を染めて、糊を洗って、柄の中を彩色いたします。最後に地色と柄の境を作っている糸目糊を揮発洗いをして仕上がります。このような小紋は実用を超えて、おしゃれな用途でございます。呉服屋も60年の余、いたしておりますとおおよそのものは手掛けております。このような小紋も、十日町でも型に手挿しで染めております。味わいはおおきく違いますが、このように1点づつ作る染めに特有の匂いともうしますか魅力に抵抗できなくなって求めます。どなたにもお求めいただけなかったらどうしよう・・・とはその時はまったく考えていません。手元におりますと幸せを感じています。この染めは値段も染め屋さんも申し上げれないのです。楽しんでください。でも、値段はそんなに高くないとおもいます。

六通名古屋帯

秋、冬の季節のための名古屋帯です。先日ごらんいただきました引き箔の帯と同じ機屋さんの作品です。糸の質は柔らかく締めやすいと思います。六通ですからお太鼓の柄の出方で悩まれることもございません。。袋帯も名古屋も両方織っておられる機屋さんではなく、ここは名古屋帯だけを織っておられます。感覚的にはやはり違いを感じます。金糸銀糸を使いませんので、権威的な感じがなく、優しい感じになります。無地の紋付きなどよりも飛び柄の小紋などに合いやすいと思います。最近ではめずらしい柄の感覚だとおもいます。秋、冬の季節の帯としてお考え下さい。¥69,000、-(別税)でおねがいします。

名古屋帯は、みなさまが想像なさる以上に良品が不足しています。手織りで注文して織ってもらったりしていたのですが、お年を召されると織キズがでたりいたします。もうやめたい・・・と言われてもそうですね・・・と答えざるをえません。数日前から、泰生さんに〆切りで経糸を染めてもらって、誂えを織ってもらえないか・・・とお願いしています。数年前、洗い朱とグレーの〆切りを織ってもらい、一度だけの試みですと申し上げていたのですが、最後のあつらえの仕事として、もう一度だけ織ってもらいたいと考えています。経糸をぼかしで染める職人さんがもういませんので、泰生さんじしん、〆切りが織れなくて、横段で織っておられます。職人探しから手掛けていただかねばなりません。このような楽しい苦労をできるのも、いましかないのだろうな・・・と思い、みなさまに感謝しています。

藤井絞りさんの小紋

昨日につづいて藤井絞りさんの小紋です。図案は椿でございますね。昨日の黒地と違い、グレー地の品の良い小紋です。ものつくりはどのようなものを作るか、自分の中でイメージを描くところから出発します。それに従って生地を手当てし、加工の職先を選んでまいります。藤井さんの場合は、第一に”いいものを作ろう”という発想で始まります。みなさまも藤井さんのホームページをご覧になられますとその姿勢を感じられるでしょう。長い努力の結果がブランドとして確立されてくるのですが、わたしたちは完成した品物を見て判断いたします。そして、わたしたちは着ていただくお客様方にいくらで提供できるのか・・・を判断しなければなりません。最近、わたしが悲鳴を上げていますのも、製品の値段が日々上がっていることです。絹糸の値段が国際的に高騰していますので、やむを得ないのですが、あまりに高騰したきものは避けられるようにわたしには思えます。ほどほどにしていただきたいものですね。この小紋は¥79,000、-(別税)でおねがいいたします。三割以上の値下げでございます。

藤井絞りの小紋

藤井さんの品物はバーゲンセールがなかなかできません。生地の吟味から手仕事の内容・・・といろんな意味で中身の濃いきものですから、ただ値段を下げます・・・とは申し上げにくいのです。ひとつには私に愛着があるからなのですが、わたしにもあまり時間がございませんので、思い切って値下げしてみなさまにご助力をお願いしてまいります。黒地ですのでタッチが強いですから、きものとしてお召しいただく方は少ないかもしれません。でも、付け下げくらい力のあるきものになると思います。目の覚めるような鮮やかなきものです。また、コートとしてお召しいただきますと、一級のコートになるとおもいます。¥79,000、-(別税)でおねがいいたします。

引き箔名古屋帯

わたしたちの年齢の呉服屋が若いころからなじんでいました古典の名古屋帯です。箔を引いていますが、昔は手織り以外引き箔は織れませんでしたが、いまは織機でも織れるようになりました。でも、多少楽になったくらいで、誰にでも織れるものではありません。よく吟味いたしますと上手下手もありますし、箔自身の品質もまちまちです。この機屋さんは名古屋帯しか織っておられませんので、感覚的にも袋帯のにおいがいたしません。お太鼓と前と垂れに錦で華紋を置いています。名古屋専門の方の配慮ですね。この帯はこの機屋さんの中でもすこし高いです。¥79,000、-(別税)でおねがいいたします。

昨日京都の買い継ぎの方に電話で話を聞いていました。いま、西陣の機屋さんの数が70軒くらいになったといわれます。他に量産する帯屋ともいえないような機屋さんが数軒。わたしが帯に苦しむのも当然で、作られていないのですから・・・・と念を押されました。おもいきった改革をしている機屋さんもあるようです。ある機屋さんでは、いままで15万くらいの給料であったのが、手織りで熟練してくると20万あるいは30万でも給料を出すようにしています。さすがにいい織手が育つようになっているといわれているそうです。でも、織りあがった帯は3割くらいの値上がりになるようです。丹波屋さんやまことさんが高くなった・・・などとわたしは嘆いているのですが、考え方を改めないと付き合ってもらえない・・・ようになってきています。

ローケツ染め名古屋帯

先日、京都の染屋さんが上京の途中、立ち寄ってくれました。わたしが最も信頼している染屋さんです。拝見した中にこのローケツの名古屋帯がございました。職人の方がこのような難しい染めはもうごめんだ・・・ということで、一点のみのものです。と断られていたのですが、昨日あるお客様にご覧いただいたところ、お気に召したのですが、地紋のない塩瀬の生地で染めてほしい・・・とのことで、強引にもう一点染めてもらうよう頼みこみました。この作品は一点のみの約束だったのですが、そのようなわけで二点作ることになりました。白大島に合わせてのご注文なのですが、わたしは泥の単色の大島、単色の結城、無地っぽい紬など多くの紬のおきものに合うと思います。値段や染屋さんは表記しない約束ですので、書けませんが、真糊をおいた友禅のものよりも安いです。楽しんでいただければ…と思ってアップいたしました。また、わたし好みの小紋、真糊のさりげない付け下げの優れモノなどちかじかご覧いただけると思っています。どうぞお楽しみに。

さいきんお越しいただく方々のお話をうかがっていて、不思議な感慨をおぼえます。わたしの考え方ではこれからの呉服業界の中では生き残れないのは自身よく承知しています。自分の生きてきた方向の中で滅びることは不足に思うことはありません。ただ、見る目をもっておられ、いいものを安く・・・とご希望の方もたくさんいらっしゃられることは、驚きでした。生産の現場はおそらく今後急角度でものつくりが出来なくなると思います。染めの現場も織の現場も70歳代のかたが主力なのですから、おそらく数年で作れる数はもっと減ると思います。コンピューターを使った、職人を必要としない染め物、織物が今以上に多くなるでしょう。それはごく自然なことだともおもいます。その時代に沿ったきものがつくられることでしょう。変化に適応できない人は去らねばなりません。