誂えの訪問着

十月に京都でご自身で色を指しておられる写真をご覧いただきました。この訪問着はその時のきものです。商品ではございませんので、旦那のブログでアップの写真などもごらんいただきながら染めの工程などをすこし申し上げたいと思います。ほんらい、お客様のあつらえられたきものですから、このように商品のようにご覧いただくことはまず珍しいのですが、染め上がりを見て、お願いして出させていただきました。すこし遠目でご覧いただきますと、柄の中は多くの色を挿しているように見えます。でも、近くでみますと、ほとんど白で色が挿してございます。この辺に友禅を挿した職人の苦心があるようにおもいます。

四君子、飛び柄小紋

手描きの小紋をごらんください。柄の配置を付け下げ風に、上前、左胸と配してございます。地色はきれいな卵色です。とてもわたしの写真の技術では色を出せないのですが、ベージュよりきれいな黄色に近い色とお考え下さい。この染屋さんには、小紋の職人さんという方はおられませんで、付け下げを染めたり、小紋を染めたりしておられるようです。つまり、手描き以外は染めない染屋さんなのです。職人さんの緊張度は、付け下げと比べますと小紋は少しは緩めれるかもしれません。付け下げや訪問着は上前や肩、脇縫いなど、柄の合い口がたくさんあります。合い口の色が違ったりしますと、完成していてもまったくきものになりません。それはとても神経を使う部分でもございます。

実はこの小紋は金曜日に手元に届きまして、土曜日にお越しいただいたお客様にお求めいただきました。でも、とてもすばらしい小紋だと思いますので、ご覧いただきたいとおもい、アップいたしました。おたのしみいただければありがたいです。わたしの写真の技術をもっと向上させねば、反物に申し訳ないように思います。

 

 

 

スクイ、名古屋帯・有栖川鹿

有栖川鹿文は有栖川宮家の所蔵品にあったことからの名前だとわたしはきいていますが、図案としてじつによくできた魅力的な紋様だとおもいます。袋帯、名古屋帯を問わず、多く使われてきました。紹巴の織り方によくマッチして、いまも多く使われています。つづれを含めてスクイの技法が途絶えることを防ぎたいと、京都では市が援助して織り手を養成しています。とくに爪つづれには力が入っているようです。でも、数百年の蓄積がある技術ですから、単に織れる・・・というだけでなく、高度な表現力がもとめられます。みなさんが育ちあがるとはかぎりません。でも、わたしはとても貴重な企画だと思います。たくさん育て、中にはすこし方向を変えてこのような紬地のスクイに入ってきてほしいと思います。どんどんと若いやる気のある職人が登場してくれることが上質の競争を生み、エネルギーを生んでまいります。いまは巧拙に差がありましても、全体として水準が上がってまいりましょう。一番下の写真は前の腹の部分の柄です。左手で手先をお持ちいただきますと鹿の紋様が前にまいります。値段は¥69,000、-(別税)でお願いいたします。

スクイ、名古屋帯・鳥獣戯画

スクイの名古屋帯をごらんください。手織りにかけるくらいですから、糸はとても上質です。腰がありながら柔らかな糸をつかっています。スクイの手は特別に腕が立つとは言い難いですが、もちろん一人前の技術を持っておられます。スクイは、織り上げた柄に命が吹き込まれていないと(表情がないと)価値が半減いたします。この手ならば十分に一人前でございましょう。一番上の写真をご覧いただきますと、柄の部分がすこし狭くなっています。そして下の写真では、柄の部分は織り方が違っています。柄の部分までは筬で織ってまいりまして、スクイの柄の部分を手織りに切り替えているのです。お太鼓と前の腹の柄の部分を手織りですくって織っているのがよくわかります。一番下の写真は、前の(腹の柄と呼んでいますが)柄です。六通で織機で織りますと、腹の柄も横向きになるのですが、ご覧いただいたように柄は縦に織られています。織り手としては先日アップしました金糸の織りだしの柄はとてもいい手だとおもいます。でも、おしゃれな帯としてまたは、法事のような不祝儀のときの帯としてもお使いいただけます。どうぞご愛用いただきたいとおもいます。¥69,000、(別税)でお願いいたします。地色は白に近い銀ネズです。

着てみたいきもの

この写真を覚えておいでの方も多いかと思います。10月8日(日)の日経新聞の21面の記事です。タイトルが、「布に守られている気持になる」です。この記事を拝見して、何十年か前のころを思い出していました。わたしは丹後の生まれですから、このような生地は別に珍しくありませんでした。でも、いまはもう作ることはできない・・・・そのような時代になっているとおもいます。昔の話なのですが、次の時代のきものにつながる変遷でもございます。旦那のブログですこし申し上げたいとおもいます。そちらものぞいてみてください。

スクイ・名古屋帯

生成りのベージュ地に金糸でスクった名古屋帯です。この手はなかなかの織り手だとおもいます。柄の趣をよく生かし、雰囲気を変えながら織り上げておられます。スクイは爪ばかりでなく、櫛を使って糸を寄せてまいります。ご覧いただいている面は織るときは裏になっていて、鏡に映る織上がりを見ながら進めてまいります。つかう糸によってご覧いただいているようにすこし野趣に富んだ表現もできます。つづれは精巧な几帳面な織物に仕上げるのですが、紬糸をつかったスクイは思いもよらぬ変化を楽しんでいただけます。わたしが若いころは、スクイの専門の機屋さんも多く、近江八景や民芸調の図案をいろいろ織ってもらいました。坂下さんなど著名な機屋さんも今はなく、腕に覚えのある職人が細々と個人で織り続けておられます。いつの日かスクイの面白さを愛する人が増えて、一つの部門として生き残れますよう祈ります。この帯地は¥69,000、-(別税)でお願いいたします。

 

 

 

紗・夏の長じゅばん

丹後の無地の紗の生地で夏の時期の長じゅばんはいかがでしょうか。この生地はもともと薄ものの着物生地として織られた紗の無地なのですが、織キズがあり、わたしが正絹のキズモノをよく長じゅばんにつかうものですから、いかがですかと問い合わせがあり、糸質が良くはださわりが抜群でしたので、求めました。わたしとしましては、ウオッシャブルにするつもりで、水を通しましたところ、写真の上の生地のように、縮んでしまいました。ウオッシャブルにするには必ず水を通して縮みを試験するのですが、まれにこのような失敗もございます。どのようにしようかしばらく考えていたのですが、肌さわりの良さ、柔らかさなど夏の長じゅばんにはとても適しています。ウオッシャブルではありませんが、(普通、絽や紗の長じゅばんをお求めになられましても、ウオッシャブルではありません。)着心地のいい夏の長じゅばんとしてお使いいただこう・・・と思い、ご覧いただくことにしました。ただ、わたしの眼鏡違いで洗えませんので、その分、値段は安くさせていただきます。¥9,800、-(別税)でおねがいいたします。正絹の夏の長じゅばんをお求めいただきましても、2万円弱いたします。この生地ですとうんと安くで着心地は抜群です。どうぞ着心地の良さを評価いただいて、お求めください。8反ございます。おねがいいたします。