格調高い小紋

 

格調高い小紋の一点をごらんください。ごく濃い紫地に菱取りの手描きの柄をとばした付け下げとかわらないグレードの高い小紋です。このきものは付け下げとしてお召しいただけるように柄の配置を変えて制作することもできます。身長に合わせて柄をすこし大きくしたり、上前の柄を多くしたり、ご希望のように制作もさせていただきます。この反物は、付け下げよりも気軽におめしいただけるように小紋として制作されています。だいたい、東京を含む関東では付け下げの需要が多いのですが、関西を中心として、西は訪問着の需要が多いと染め屋さんは言われます。わたしなどは、付け下げをなお一層小紋風にアレンジした付け下げ小紋が今後新鮮に感じられ、需要が多くなるのでは・・・と感じているんですが、感覚的には東京に限定された世界のようでございます。でも、近い将来、いい仕事をしたきものをさりげなくお召しになる・・・こんな東京の感覚は、次第に全国区になってまいりますよう思います。値段を申し上げることが出来ませんが、小紋としては付け下げに近い格の小紋とお考えいただきたいと思います。

さしめさんの雨コート地

 

 

 

五百機織り(さしめ)さんの雨コート地3反をご覧ください。この3反ともに織り難があるAB反です。もちろん、コートになってキズが出るわけではございません。わたしも何十年もこのコート地を取り扱ってまいりましたが、AB反が手に入ったのは初めてのことです。すこし値段が開きすぎていますので、AB反としての値段を申し上げるのはごかんべんください。たぶん、今後もキズ物がわたしのところに回ってくることはないとおもいます。合格の生地の値段はいつにても申し上げます。ただ、米沢も雰囲気が変わってまいりまして、機屋さんの負担が重すぎるのを分散しようではないか・・・といった考え方がうまれてまいりまして、産地問屋(買い継ぎ)が自分の独自の柄を機屋さんに織ってもらう・・・方式を部分的に導入しておられるようです。優れた品質の品物が安定して提供してもらえることは私たちにとってはメリットがあることなのですが、競争原理はいくぶんかなくなるのでは・・・とおもいます。私個人としては、さしめさんの織物の品質を考えますと、まず、安定して継続していただくことが大切なことだとおもいます。それだけ上質の生地のメーカーです。

話は変わりますが、京都の仕立ての様子が大きく変わってまいりました。すでにトップメーカーでは20%以上の値上がりになっています。昨日、主力の仕立て屋さんと話していたのですが、1~2か月の間に値上げをお願いしなければなりません・・・と言われました。コロナ騒ぎ以降、仕立ての数が激減して、縫子さんを抱えているところは大きな赤字のようです。わたしは、安くいたしますのでぜひよろしく・・・と言われるかと思っていたのですが、そのような発想はどちら様もないようです。たしかに大きな問題だとおもいます。腕はよくないと困りますし、仕立て代が4万台になることは私には考えれませんし、従来のお仕立て代から3,000~4,000円くらい値上げさせていただかねばならないかもしれません。帯のほうは5月の末に大手の買い継ぎが倒産いたしました。わたしの存じよりの機屋さんたちは、減産をして注文だけに対応することでなんとか生き残りを・・・と言われます。いずれにいたしましてもしばらく様子を見ていませんとどちらに進むのかわからない時代だと思っています。

米沢、上質のお召し

 

 

先日、米沢の男物のお召しのAB反をごらいいいただきました。そのご、キズ物で上質のものがあれば・・・とご注文をいただきました。米沢もけっして大きな産地ではありませんし、鈴源の倒産以降男物のお召しも漂流しているような状態です。機屋さんも確固とした方針が立たず廃業や機を終わるところが多くなってきています。わたしが長年付き合ってきましたのは、買い継ぎなのですが、一人で機屋さん巡りをしていまして、掘り出し物をよく見つけてきてくれます。産地に居て、まいにち機屋さんと顔を合わせていますから、人間関係ができているのでしょう。今回はいい機屋さんのお召しです。上の4反がAB反で、下の2反が合格品です。合格品は10万を超えます。上の4反は¥38,000、-でお求めいただきたいと思います。色が実物と多少ちがいがあります。確認の上お求めください。

打たせ糊の付け下げ

昨年ご覧いただいたことがあると思います。中の柄は桐ではありませんでしたが糊自身は同じ染め方のものです。上品な付け下げとしてお召しいただけることになりました。他に薄色のボカシの付け下げなどもお求めいただいたのですが、写真に撮りましてもその陰影があまりにも微妙で、わたしの写真技術では到底及びませんのでみなさまにご覧いただくことはあきらめました。

今回は、来年の初釜のためのきもののデザインをご覧いただいたお客様がいらっしゃいました。一年をかけて創作させていただくことがこの数年つづいています。ほぼの基本のデザインは今月か来月くらいに決まりませんと時間的にゆとりをもって作れませんので、コロナ騒ぎの中でも時間を取っていただいたのですが、ご希望がカラーの訪問着で、これは大変に難しいご注文です。わたしには自分の中にカラーの訪問着の世界がいくら探してもありません。しかし、さすがに一流のプロですね。図案を染め屋さんが提示してくれました。さらに、お客様が、その図案に対してすこし変更の希望などを申され、ふたりのやり取りは中身の濃い、すばらしいものでした。私は呉服屋でありながら、蚊帳の外・・・といった感じで、話の中に入れませんでした。自身、老いた・・・と実感いたしました。呉服屋は必ずしも自身で創作する必要はありません。創る人とお召しいただく方の間に入って、双方のいい面ができるだけ生きますよう、また、円滑に進行しますよう内側で配慮してゆくことも大きな役目ですから、あまり余分なことを申さない方がだいたいにいいのですが、話は理解をし、出来上がりを頭に描いておかなければ役目を果たせません。でも、今回は、お客様と染屋さんに追いつけませんでした。とても考えさせられた日でした。

染めの感覚を忘れそうになりました。

 

 

コロナヴィールスに振り回された3ヵ月でした。過去形ではなくいまも大きな脅威として私たちのの身の回りに大きな影響を与えています。わたしは年齢的にも、持病の上からも感染するとまずヴィールスの格好の餌食になるだろうとは想像していますが、こればかりはいかんともなしがたく、できるだけ外出を避けて生活をしています。そのような生活をいたしておりますと、60年のあいだ毎日染め物に親しんでいました感覚がすこし鈍くなり、昨日見ていた衣桁の小紋がまた違った魅力を持って感じられたのが、あまり感動しなくなってまいります。わたしのようなちりめんや染めの世界で生きてきていますと、いいものに出会ったとき感動しなくなったら終わりだと私は思っています。単に売買ならばよろしいかもしれませんが、それでは人生がもったいないように思えます。お客様とはその方のきものの世界をおつくりになられるのをスタッフとして参加させていただいている・・・ように自分では思っているのです(生意気にも)。先日、京都の染め屋さんに電話をいたしまして、目の覚めるような素敵なものをもって出張してきてくれ!と叫んでしまいました。この小紋と帯はその折、お越しいただいたお客様にお求めいただいた品物です。小紋は、近江のちりめんと変わらない風合いを持つ紬地に手描きで友禅を染めています。わたしの写真の技術ではこれで限界なのですが、よく染めています。帯合わせはなかなか絶妙で、ぬいしめしぼりの素朴な縦縞の帯になされました。生地は小千谷です。緊張した二日の時間でしたが、私自身は生き返ったようにように思っています。寝床に入ってもいろいろとデザインや色合いのことを考えて眠りにつきます。しあわせな生活がもどりました。どちら様にも感謝しながら日を過ごさせていただけねば・・・とおもいます。

米沢お召しⅢ

 

米沢のお召しのB反で、柄は細かい縞です。機は特別にいいというわけではありませんが、米沢の中堅の機屋さんですから、特別に高級品を望まれるのでなければ、充分にお召しいただける生地です。お茶の方々にとっては、このような織キズができた堅実な織物は上手にご利用いただきたいものです。¥38,000、-(別税)でおねがいいたします。

米沢お召しⅡ

 

 

写真左の紋お召しは、キズ物ではなく、機屋さんの在庫の見切りです。品物はごく上質のものです。¥52,000、-(別税)でおねがいいたします。品質からもうしましてもとても安いと思います。右のお召し地も機屋さんの在庫の見切り品です。¥36,000、-(別税)でお願いいたします。

きものの業界もいまはとても大変な状態です。わたしはひそやかに、業界がお客様のために、よりいいものをより安く・・・という本来の目的を取り戻すおおきなチャンスではないのだろうか・・・と思っています。