手つくりの染めの限界

 

 

二か月ほど以前に、この帯地はみなさまにご覧いただいたかとおもいます。同じ柄、色で、無地の生地に染めてほしい・・・とご希望のお客様があり、染めだしていました。昨日染め上がりが届きました。みなさまにもなんらかのご参考になるかもしれないと思い、注文品ですが拝借して掲載いたします。手のローケツなのですが、とても難しい染めです。糸目を置いた染めは一色づつ布端に色をテストしながら彩色が出来ます。ローケツは一度ですので、どのように染まるか染めあがってみないとわからないのです。この柄は二度とは染めません・・・と言われていたのをなんとか頼み込んで染めてもらいました。お納めする方はご満足をいただいていますので結果はよかったのですが、手のものは慎重に運ばねばなりません。じつは、真糊のきものも同じような難しさがございます。生地に青花で直に下絵を描いてまいります。まったく同じものを作ろうと思っても、似たものしか作れないのです。わたしが同じ柄を二つとは染めないのもご理解いただきたいのです。一つ一つがその世界なのです。二つ目だから偽物・・・ということではなく、一点一点の世界でございますね。でもこの帯、泥の単色の大島や、白大島にお締めいただきますと素晴らしいでしょうね。わたしも楽しみに待っております。

 

 

丹後長じゅばん地、楊柳生地のAB反

 

私がこのような長じゅばん地をよくお勧めいたしますのは、特別なお客様用には値打ちがあるからだと思っているからです。一年に数回きものをお召しになられる方にとっては、精華のぼかし(例えば壺金など)や絞りや綸子の襦袢地がやはり一番いいと思います。でも、毎日着物をお召しになられるお茶の先生方や職業上毎日お着物の方にとっては、絹で洗濯機で洗えて、値段が安い長じゅばん地はとても重宝だと思います。数千円から1万余までいろいろな生地をおすすめいたしますのは、そんな理由です。もっとも、長じゅばん用に織った生地ではありませんので、重すぎるようなこともございます。毎日きものの方々は、年に2枚から3枚くらい裾が切れたり膝が抜けたりして消耗なさいます。コストが安くなる・・・ことが私の念願ですので、このように白の楊柳の無地のような生地でもお勧め申し上げています。この生地は10日ほど前に丹後から送られてきたのですが、値段の交渉がすすまず、けっきょく全部は売ってもらえなくて、20反足らずしか求めれませんでした。反450gですから、単衣の襦袢には最適ですが、表生地に織ったものではありませんので、普通の長じゅばん地よりは多少丈夫ですが、表生地より弱いです。ただ、糸の質がよく、腰もあり、着心地のいい長じゅばんになることはまちがいございません。自分で水を通してみましたが、縦も横幅も全くちぢみはありませんでした。袖が無双の袷用の長じゅばんは¥14,000、-(別税)単衣用の長じゅばんは¥11,500、-(別税)でおねがいいたします。

最近は単衣のきものに透ける生地を織ったりいたします。また、地色がとても淡いきものも多くなっています。以前はこのような白の無地の襦袢をお勧めすることに抵抗感もありましたが、最近はお客様が白をご注文なさるケースも増えてまいりました。表生地によって長じゅばんも変化するものなんだとおもっています。

小森さんと藤田さんの袋帯

 

 

 

 

 

 

 

小森さんはどなたもご存知の名門の機屋さんです。わたしの実家のすぐそばで、大徳寺まで歩きます途中にございます。手織り専門でしたが、いまは織機のほうが多いかと思います。もっとも、織機だと言って軽くお考えになっては間違いますかと思います。糸の質、織りの手の込みようなど、手織りとの差は感じられない良品です。この帯も織機のものですが、いい帯地でございます。小森さんの袋帯は、中には大柄なものもございますが、小柄で名古屋帯の延長線上のような感覚の袋帯が多いです。無地の紋付や付け下げ、飛び柄の小紋、江戸小紋などに親しみやすい威張らない袋帯としてお使いいただけるのではないかと思っています。下の写真の袋帯は藤田さんの手織り引き箔の袋帯です。藤田さんはみなさまにはあのドットの柄の名古屋を織る機屋さん・・・と申し上げた方がご理解が早いかもしれません。頑として品質を落とさず却ってもっと手の込んだ織へと踏み入っておられます。わたしは値段でついていけませんので、手をこまぬいていますがそのような機屋さんもございます。この帯地は太箔の手織りでございます。訪問着でも付け下げでも礼装のもの、また、おしゃれなきものにもお締めいただけますかとおもいます。どちらも¥98,000、-(別税)でおねがいいたします。

9月に入りまして、袋帯をぼつぼつご覧いただこう・・・と考えておりました。先陣を切って小森さんや藤田さんをごらんいただきます。またこの値段は、お求めいただいている値段の半値ですから、思い切った価格でございます。でも、4か月の間にほとんどの商品をお求めいただけねばなりませんので、どうぞお気に召しましたらおねがいいたします。

綿、クレープ生地の下着

 

下着は上の肌襦袢はガーゼの製品がずっと使われています。裾除はベンベルグデシンの滑りのいい生地を多くの方がお使いなのですが、しだいに写真のようなステテコ式の下着をお使いになる方が多くなってまいりました。麻ではステテコ式が好評なのですが、綿でも需要が多くなっていることを感じます。踊りの方がこのステテコ式をお使いになるそうで、この品物も踊りの関係のメーカーが作っているのだそうです。夏にまた単衣の時期に、さらに厳寒期を除いてお使いになられるようです。やはり吸湿性が高く、デシンに比べて捌きは劣りますが、汗の対策としては利点があるように思います。また、デシンの裾除けが3000円いたしますが、こちらは2500円でお求めいただけます。こころみられてはいかがでしょうか。なお、下着の値段は、肌襦袢が1350円、写真のステテコ式が2500円、ベンベルグデシンの裾除けが3000円(それぞれ別税)いたします。また、苧麻の下着は肌襦袢、裾除けともに7700円いたします。麻のほうがひんやりとして気持ちがいいと伺いますが、しょうじき高いとおもいます。このステテコ式は便利で吸湿性が高いなど利点があり、ご利用いただきましてもいいのではないかとおもいます。

唐織袋帯三点

 

 

 

 

 

 

 

 

唐帯袋帯を三点ご覧いただけますでしょうか。上の写真から順に、丸勇さん、高島、山口さんの帯地です。丸勇さんは廃業なさる呉服屋さんから求めております。¥35,000、-(別税)でおねがいいたします。次の高島さんは、だいぶ以前に何点かまとめて求めた帯地の一本です。二番目の高島さんは、いい職人を手に入れて、相当いい帯地を織れるはずなのですが、いまだそのような品物を拝見しません。この現品は¥35,000、-(別税)でおねがいいたします。でも、この機屋さんは本来いいものをおつくりになることが出来るとおもうのですが・・・三番目の山口さんはやはりいい機だと思います。¥75,000、-(別税)でおねがいいたします。この値段ですとお安いと思うのですが。

スクイ名古屋帯、写真の改訂

 

 

 

 

 

以前、この二点の帯の写真をご覧いただいたと思います。とてもひどい写真・・・・と自分でも思っていました。写真を撮りなおしてもっといい写真と置き換えたいとおもっていました。昨日、撮りなおしたのですが、まだまだ不十分です。でも、前の写真より見栄えはよくなっているかとおもいます。もっとも、前の写真の質感は今度の写真にはありません。プロに頼んでは・・・と言っていただくこともあるのですが、わたしはそのようにはしたくないと思っています。写真もあるレベルを超えますと、現実の品物よりももっと見た目がいいように・・・と目的が変わってまいります。写真は補助であって、織り方や染め方の内容のほうが大切なのでは・・・とおもっています。(写真がいいのは素敵ですが。)それはともかく、ひょうたんの柄のスクイはなかなか素敵です。おしゃれな帯ですので礼装には向きませんが、紬のきものには向いたいい柄だと思います。色紙の柄は紋付にも合う礼装のきものにお使いいただきたい帯地だとおもいます。値段は前にも申し上げていますように¥69,000、-(別税)でおねがいいたします。

真糊、菱取り若松

 

 

真糊の特長がよく出ている付け下げです。わたしが真糊がすきなものですから、笑われるときもあるのですが、上手な職人の手にかかった真糊は良く生きるものですから、魅力に引き込まれて注文いたします。若松を菱の中に収めた格調の高い付け下げですから、新年のお祝いの席などにお召しいただけます。最後の写真ではよく真糊の粗削りな力強さが出ているかと存じます。地色は鶯茶ともうしますか、挽茶ともうしますか、お抹茶の色でございます。茶席には抹茶の色のきものは・・・とおっしゃられる方もございますので、ご配慮いただきたいと思いますが、力のあるすばらしい地色です。この付け下げも染め屋さんも値段も申し上げれないのですが、一級品の付け下げでございます。

この付け下げでわたしの注文のものは終わりました。途中でほしくて求めるかもしれませんが、今年の夏で自分の体力の限界もわかりましたし、今年の暮れを目指してすこしでも在庫をお求めいただくように努力をしてまいりたいとおもいます。夏休みも終わりまして、明日から気持ちを引き締めてきものの中に入って生活をしてゆきたいとおもいます。よろしくお願いいたします。