すぐれもの名古屋帯Ⅳ

 

 

この名古屋帯は二点とも同じ機屋さんです。名古屋帯のみ織り続けておられる所で、感覚的にも袋帯の匂いのしない、昔ながらの名古屋帯のデザインです。左は引き箔地に錦で柄を織りだしています。ほんらい付け下げや無地の紋付のための帯地ですが、最近は小紋も格調の高い柄が多くなってまいりました。小紋の上級のきものにはこのクラスが必要な時代なのかもしれません。この機屋さんの帯地は今年に入ってからの取引で、まだ日が浅いのですが昔ながらの本格的な織りをつづけておられます。品物と値段を考えますとわたしはとても評価をいたしております。¥75,000、-(別税)でお願いいたします。

すぐれものの名古屋Ⅲ

 

 

 

 

名古屋帯のみ織り続けておられる珍しい機屋さんの帯をごらんください。左の黒地は漆箔の引き箔の名古屋です。中つづれなど手のかかった仕事の品物ですので、お太鼓と前の柄で、六通には織ってございません。元々は昔から手織りの名古屋は六通には織りません。ただ、黒地も朱地も地は箔を通して織っております。きちっと手抜きなどはいたしておりません。この機屋さんも御年75歳で、後継者はいらっしゃいません。この数年の間にわたしの知る限りでも、何軒の機屋さんがおやめになられたか数えられないくらいです。わたしも来年は傘寿を迎えるのですから他人のことを云々はできませんが、悲しい現実でございます。この帯は¥79,000、-(別税)でお願いいたします。この機屋さんはよく見つけた・・・とおほめいただけると思っております。

すぐれもの名古屋帯

 

 

帯屋捨松の六通名古屋帯です。薄い地色の小紋には向かないようにお考えかもしれませんが、そうとばかりでなないとおもいます。春先の爽やかな季節などには、帯揚げと帯締めをアクセントにこの帯のような感覚でまとめていただくのも素敵でございます。捨松の織りですから糸質も織そのものもご信頼いただいて大丈夫です。捨松さんの帯は一種の再販値段のようなものが出来ておりまして、わたしのたちも値段のことであまり注文を付けれない時代になりました。勉強させていただきまして、¥75,000、-(別税)でお願いいたします。

菱健小紋Ⅲ

 

 

地色はもう少し明るい若草色で、新春の季節感があふれる明るい小紋です。板場でこれだけの染めができるのですから、衰えたと申しましても技術はまだしっかりとしています。地色の引き染めのときに、地色が柄の中に一部入り込んでいます。板場の方に話を伺っていたのですが、創意工夫はいまも日々なされていると感じました。細かいことなのですが手仕事の味わいを表現しようとみなさんそれぞれに努力をなさっておられます。今回の展示は私は魅力を感じても数は求めなかったのですが、問屋の人たちは20反30反とそこそこに求めておられました。今回は力作が多く、評価できる展示でした。¥79,000、-(別税)でお願いいたします。

菱健新柄小紋Ⅱ

 

 

おなじ菱健の小紋です。さいしょ見たとき、西原の染めかとおもいました。このタッチは西原の得意とする染め方で、ぼかしに独特の技術があります。縦縞も疋田も糊で染めていますとのことでした。縦縞はちょっと蝋のように見えるのですが糊ですと板場の責任者の方は言っておられました。柄の間のぼかしはけっこう難しい部分です。一反を通して同じタッチに上げるのはとても難しいとおもいます。上品な中に華やかさがある小紋です。柄合わせはお好みですが、段ちがいがよろしいのでは・・・と思っています。重い加工の一品です。¥79,000、-(別税)でおねがいいたします。

菱健、新作小紋

 

 

きょうは菱健が東京に出てくる日でした。担当者が変わります・・・とのことで日本橋まで出かけてまいりました。車はまだ十分に乗れますし危険があるとも思いませんが、自分の年を考えて他の人に迷惑がかからないように慎重に・・・と心掛けています。小紋は30反くらいになってしまいまして、みなさまに2か月ごらんいただくのには心細い状態です。わずかですが求めてまいりました。この小紋はちょうど江戸小紋の角通しのような柄です。大きな市松の中に角通しを染めたような感じです。菱健ですから板場の上の仕事です。染め板に生地を張り、型紙を当てて糊を伏せ、地色は引き染めです。プリントでも似たようなものは染めることができますが、ご覧いただきますような柔らかなおっとりとした染め味は出ません。生地と板場の糊伏せと引き染めですので私にも原価の計算ができます。しかし、生地の値上がり、板場の人件費など染める方も求める私たちもよくわかっている状況ですので、お互いにつらい思いでの値決めです。¥79,000、-(別税)でお願いいたします。

菱健ばかりでなくこのクラスの一流の染屋さんの小紋を仕立て上がって10万円まででお求めいただきたい・・・とずっとわたしは申し上げてまいりました。この数年の染め屋さんの生産量の推移をみていますと、将来どのようになってゆくのかほのかに見えてまいります。きものの制作はトップに手描きの創作品の部門があり、つぎに板場での摺り染めや糊伏せの手仕事の染めがあります。つぎに、シルクスクリーンがあり、その下に転写の染めがあります。いまは転写の小紋が全体の90%以上になってまいりました。また、手描きのもっともコストのかかる染めは、少なくなってまいりましたが健闘している状態です。手描きと印刷の染めの間の、板場の手仕事の染めの部門がもっとも少なくなっています。わたしのような小さい店でも、一人二人で制作している手描きのもっとも高級な部分の染めを好まれる方が多くなり、萬葉さん雅さん菱健などの名門の板場の染屋さんのものが少なくなってまいりました。たぶん、この傾向はもっと進むと思います。じっさい、お客様のお話を聞いていますと、目の見える方はプロあるいはプロ以上の鑑識眼を備えておいでです。一方、展示会での販売方法を拝見していますと、暗澹たる気持ちになります。でも、展示会はまだまだ盛況がつづくであろうとおもいます。心痛む業界のありかたですが、お客様の進まれる方向についてゆく以外なさそうに思えます。

お召し機の白生地AB反

 

以前からご覧いただいています、丹後のお召し機の白生地です。ここしばらくAB反が出ませんでした。合格品は好きな柄を求めることが出来るのですが、生産量が少なるにしたがってAB反そのものが出なくなりました。この柄は関東の方に好まれる割り付けの地紋です。先日のお召しの機屋さんが織り元なのですが、次第にお召しに重点が移ってい行く時代になってまいりました。たしかに無地の紋付がいくつも入用な時代ではなくなっているかと思います。柄下にはもっと単純な織物でないと柄が乗りません。紋意匠という織り方は表に糸が浮き上がりますから、友禅が染めにくいのです。このような特殊な織り方の白生地は少なくなってゆく時代なのだと感じています。¥32,000、-(別税)でおねがいいたします。

丈夫な体に産んでもらって79年の日々を過ごしてまいりました。いまもって健康な状態だとおもっているのですが、金曜日土曜日と寝込んでおりました。今年中は頑張ってのれんを出し続けたいとおもっています。来年は、健康が許せば半年でも一年でも、お客様のお供をfしながら、わたしが最良と信じる織物や染め物をごくわずか、生産者のもとにまいりまして探したり作ったりしたいと思っています。