絽小紋二点と紗染め帯

二月に染め出していました夏の小紋と帯が染め上がってまいりました。左端は小千谷の手引きの糸で織った絹の帯地です。柄はアール・ヌーボーと名付けられています。単衣や夏の結城、大島、紬類、また、小千谷の麻や絹の織物に合わせていただきたいと思います。麻の無地に添えて、朝茶などさわやかで涼感を誘いましょう。

絽の小紋は、生地を私が出しまして、染めだけ受けてもらいました。生地は五泉の700gに手描きで染めてもらっています。ご覧いただいて、型染めの小紋とは違うのは感じていただけると思いますが、わたしは、手描きの付け下げに近い染めと思っています。付け下げより手間は少ないのですが、仕事は細かい部分を克明に描かねばなりません。冬ものですと、生地が透けがありませんから、染め上がりにボリュームがあるのですが、夏物は仕事ほどには見えません。そのようなこともあって、このクラスの夏の小紋は多くは作られていません。でも、このような夏物もあるのをぜひてにとってご覧いただきたかったのです。多くはありませんが、すぐれた夏のおきものです。

この染め屋さんのものは値段は書かないことになっていますので、ご容赦いただきます。