菱健の小紋Ⅱ

 

これらの小紋は、剣先がありますから、裁ち合わせにご注意ください・・・と注意書きがいたしてございます。剣先は染め難には当たりませんが、いまは裁ち合わせをする人が、素養がなく、端からどんどん切っていきますと、どうともならないケースがあり、染め屋さんはこのような注意書きを貼っておられます。剣先とは・・・染めの工場が三丈あまりの布を長く伸ばした状態で染める余裕がない広さの場合、生地を貼る型板を1丈6尺くらいにして、生地を折り返して染めてまいります。その折り返す部分を剣先と申しますが、どうしてもうまく染まらない部分が出来てまいります。江戸小紋は補修して見えないようにするのですが、直せない小紋もございます。菱健さんは、プリントの染めはなさらないので、剣先は無くすることが出来ませんし、地も引き染めと仕事は落としておりません。わたしも自分の体力、気力を量って、品数を少なく、もっとも得意の部分に集中したいと考えています。この値段は、品物に対してすまないこと・・・と思っていますが、どうぞお気に召せばお求めいただきたいと思います。¥30,000、-(別税)でお願いいたします。