西哲機業と野々村の袋帯

 

 

 

 

写真の左の帯地は、証紙番号132の西哲機業さんの帯地です。丸練り本袋の地です。西哲さんはいまはございません。やわらかなよく練られた糸を使い、表と裏と同時に織る本袋の帯です。ご覧いただきますように、この帯は礼装用の格式の高い帯ではございません。普通に日常お使いいただくお稽古だったり、ちょっとしたお出かけのための帯地です。帯地としては頂点のものではなく、底辺の、低コストで良質の糸を使った、いわゆる無印良品です。たくさんの方にお使いいただけて初めて成り立つ性質のものです。きものが日常から離れて、同時にこのような低利潤の良質な帯もなくなります。もっと胴かかりの多い重い織りの帯も織っておられましたが、それらはわたしも10万を超えてお求めいただいていました。地味な帯のようにお感じなられるかもしれませんが、若い方にも素敵ですよ。

右の写真の帯は証紙番号25の野々村さんの帯です。さすがに25というと老舗の機屋さんです。同じような帯とは織りが全く違い、いい織をしておられます。こちらは、無地の紋付や付け下げなどに合わせていただきたい、小ぶりな礼装のための帯です。名古屋帯の感覚に近いですから、名古屋帯としてお使いいただけると思います。二点とも¥30,000、‐(別税)でお願いいたします。