スクイ名古屋帯Ⅱ

桜につづいて、色紙取りのスクイの名古屋帯をごらんください。こちらも手のかかった柄です。坂下さんをはじめとして多くのスクイの機屋さんが廃業なさいました。職人たちは独り立ちする人、廃業する人さまざまな人生を送っておられます。わたしの中学時代の同級生も、綴れ屋さんの営業として、自信に満ちて仕事をしていましたが、終わりころにはノイローゼになっていました。彼の奥さんは、いい手の織子さんでしたが、数年前に、もう一度織ってみては・・・?と勧めましたが、業界のあまりのわがままな身勝手さにあきれていて、気持ちが動きませんでした。この帯も、織子さんにとっては、ひどい値段だと思います。でも、いまでも織っている人は、好きで機から離れられない方が多いです。そのような人々に支えられての今なのですが、若い人に魅力ある仕事ではございません。老齢化とともに織れなくなっています。産地である京都市でも、織り手を養成するために援助しているのですが、養成機関が終わって、独り立ちして時の手取りの低さに仕事が続かないと聞きます。でも、美校を出て、好きで織りの表現を一生の仕事として入ってこられるひともいらっしゃいます。好きで一生をかけて取りくんでおられる方々の中から、明日を担う人が出てくることを信じています。この帯は¥69,000、-(別税)でお願いいたします。