スクイ、名古屋帯・有栖川鹿

有栖川鹿文は有栖川宮家の所蔵品にあったことからの名前だとわたしはきいていますが、図案としてじつによくできた魅力的な紋様だとおもいます。袋帯、名古屋帯を問わず、多く使われてきました。紹巴の織り方によくマッチして、いまも多く使われています。つづれを含めてスクイの技法が途絶えることを防ぎたいと、京都では市が援助して織り手を養成しています。とくに爪つづれには力が入っているようです。でも、数百年の蓄積がある技術ですから、単に織れる・・・というだけでなく、高度な表現力がもとめられます。みなさんが育ちあがるとはかぎりません。でも、わたしはとても貴重な企画だと思います。たくさん育て、中にはすこし方向を変えてこのような紬地のスクイに入ってきてほしいと思います。どんどんと若いやる気のある職人が登場してくれることが上質の競争を生み、エネルギーを生んでまいります。いまは巧拙に差がありましても、全体として水準が上がってまいりましょう。一番下の写真は前の腹の部分の柄です。左手で手先をお持ちいただきますと鹿の紋様が前にまいります。値段は¥69,000、-(別税)でお願いいたします。