あけ田の小紋

あけ田の小紋をごらんください。二点でございますが、摺り染めの手のかかった小紋でございます。あけ田さんは小さい染屋さんです。その規模の小ささが、今日まで昔ながらの染め方を守ってこれた理由です。毎年、お正月にはいくつかお年玉として破格の値段でサービスしてくれるのですが、今年は三点のみ求めてございます。木の葉の摺り染めの小紋は¥65,000、-(別税)茶屋辻の摺り染めの小紋は¥85,000、-(別税)でお願いいたします。

こんな写真をご覧いただきながら、わたしの申し上げることにも耳を傾けていただけますでしょうか。わたし、ただいま78歳でございまして、80歳までなんとか頑張って・・・と期待され、望んでいただいて、今日を迎えましたが、もう二年はとても無理だと体力、気力の限界を感じております。なんとか今年いっぱいは頑張れるとおもいますが、そのあとはとても責任を負った仕事は無理になるように思います。はなはだ勝手な申し条でございますが、今年限りでのれんを降ろさせていただきたいと思っています。

お客様方で、たきちも年かな・・・と受け止めていただく方ばかりではございません。何十年も、そして三世代四世代と呉服屋として勤めさせていただいたお客様も多くいらっしゃいます。長年なじんで、気心のわかった呉服屋を変えるのには、あるていどの準備の時間も必要です。命ある限り仕事をしなさい・・・と現実にお言葉をいただくこともございます。いろいろな方法を考えたのですが、自分にはこの一年ならば役目をまだ果たせる・・・と思えるのです。皆様のご了解をいただきたいとおもいます。なお、細かいことをいろいろ申し上げたいと思います。明日からも、写真とともにご覧いただけますようお願いいたします。