あけ田、訪問着単色

あけ田さんの単色の訪問着をごらんください。生地は丹後の紬です。紬と申しましても、羽二重のような生地にすこし紬の糸が入っている・・・といった生地です。この生地は男物に使ったり、わたしもいろいろに使わせてもらっています。染めは型友禅です。地は蒔き糊で観世水など三段階の柄の染め分けになっています。爽やかな訪問着で、単衣にも新春から五月ころの初夏くらいまでの袷になさっていただいても絵になるお着物です。あけ田さんはプロの間ではとても評価の高い染屋さんで、摺り染めのものには優れた品物をよく見ます。この友禅は摺り染めではございませんが、染めの切れ味ともうしますか、染め上がりの鮮やかさはさすが・・・と思います。あけ田さんとは古いなじみで、正月には、お年玉の値段でいくつか求めることが恒例になっていまして、申し訳ないと思いながら、値切るのを楽しんでいます。もっとも、お客様にかならず還元申し上げています。

このきものは昨日、お越しいただきましたお客様にお求めいただきました。お願いしてホームページに出させていただいています。あけ田さんの別な一面を多くの方にご覧いただきたかったのです。型友禅には摺りにないこのような一面がございます。機会多くお召しいただく方ゝ、この染めの爽やかさをぜひ身近に置いていただきたいと思います。かっては、古代友禅、加納染工など、型友禅のいい染め屋さんがおいででした。あけ田さんは頭一つ抜け出た、いい染屋さんでございます。