丹後、綸子の絞り絵羽長じゅばん

日本製の生地の絞りの絵羽長じゅばんです。六枚ございますが、ピンク、ブルー、ベージュ、藤色など。地紋は一様にむじな菊の柄です。柔らかな肌さわりで、昔から作り続けられた長じゅばんです。この長じゅばんは、付け下げや訪問着、無地などの礼装のきものに合わせることを目的に作られています。ちりめん地のきものですと同じ感触で、よくきものに添います。大島や紬は生地に腰があり、肌さわりもすこしつるつるとして裾さばきも楽です。そのような着物には、壺金のような(精華と申します)八掛の生地の織り方のほうが添いがいいと思います。そのように特徴がございますが、国産の長じゅばん生地そのものが高値で、なかなか全部の種類そろえれません。機会があり、手に入りましたら、精華のきじの長じゅばんも揃えたいと希望しています。お値段は¥32,000、-(別税)でお願いいたします。

先日来、振袖の販売会社の不祥事が報道されています。被害に遭われた方々は本当にお気の毒で、防ぎようがなかったのではないかと思います。それだけに、業者は非難されて当然とおもいます。なんとか救済の方法がないものかと思い、きもの業界も真剣に対応しようと行動にうつしているようで、まだしも・・・とは思いますが、どのようにしてこのような事件が起こったのか、理解できない面もあります。わたしは業界が長いですから、どこがこの種の着物を作り、どこが販売しているのかほぼわかっているのですが、わたしの実感から申し上げますと、お求めになられるより、レンタルのほうがいいのでは・・・と思います。真面目な業者がいなくなったわけではありません。現実に、問屋をやめて、振袖専門の販売会社を設立なさっておられる方もいらっしぃます。やはり、プロが分野を変えて振袖を扱うのですから、鑑識眼はきちっとしています。できれば、会社の設立者の経歴など、できる限りお調べになられることも大切でしょう。もっとも、営業は2か月くらいの即席の講習で最前線に出すわけですから、なにもわかっていません。残念ですがお求めになられる方が自衛なさるより致し方ないのが現状だと思います。やはり、デパートがもっとも信頼できるのではないでしょうか。すくなくとも、何人かのプロの目を通って皆様の前に品物が出てまいります。数百年の蓄積のある染めや織の世界です。腰掛でできるような仕事ではありません。少なくとも、数年の経験を積まないで、人様の前でものを言うことなど、三十年ほど前までは、論外であった世界です。それだけ、奥行きがあり、専門家は自分の知識と経験には誇りを持っています。みなさまの常識とおおきく違っているかもしれません。でも、わたしの先代までは、広池さんの最高道徳科学(いまの麗澤大学の経営母体)であったり、石田梅岩の「石門心学」などを学ばなければ、業界の中堅以上の方と話をしても相手にもされませんでした。わたしたちは染めや織の世界に仕えているという心を失っては暴走をしやすいです。心しなければならないと思います。