丹後、紋古代、夏物など

昨日は、大手二社が東京に出かけてきてくれていました。これでだいたいの上物を扱う京都のメーカーの多くが一月の展示を終わります。担当のかたには手間を取らせましたが、京都の状況、生産の目安などいろんなことを教えてもらっていました。どちらも呉服業界を背負っている商社であり、買い継ぎですから、姿勢はしっかりとしています。一社は丹後、長浜、五泉を網羅する白生地の大手です。わたしが白生地のAB反を求めますので、気にして情報も集めてくれています。ざっと見たところも、AB反の入荷数量は少なくなっています。紋紗などはまったく入荷がありません。アップの写真の最初は、大鳳さんの紋意匠です。袷用の生地ですが、単衣にもお使いいただけます。中央の写真の反物は、以前は紋古代ともうします織り方なのですが、表と裏の柄が違います。複雑な織物ですね。この生地は、ほとんどが作家ものとして、柄の凸の部分を摺り、地紋起こしのように加工して発売されたのだそうです。それは、おしゃれな小紋になったでしょう。この反物はAB反として出ました。下の写真の生地は、紋意匠の単衣用の生地です。少し透けがあり夏物には向きませんが、単衣には腰もあり、向いているとおもいます。機屋さんによっては、いまだに太い抜きで、麦わらでも織るようにちりめんを織るところもあります。注意しながら上手に通り抜けてゆかねばなりません。これらの反物はいづれも¥32,000、-(別税)でお願いいたします。まだ値段は高くなっていません。

振袖の事件は、あまり話題になりませんでした。このへんのメーカーは同じ業界といっても、まったく違う世界で、わからない・・・のが実情でしょう。ただ、これだけの被害額があるということは、このような品物や販売の仕方でも、お求めになる人がある・・・・ことがとてもショックです・・・と語っておられました。一Xという、倒産しては名前を変えてまた営業をする常連の一人だそうですから、「それは、どうにもなりません・・・」と苦笑しておられました。でも、呉服業界にとっては、相当悪いイメージになるでしょう。それが心配ですと語られるように、大きな影響があるとおもいます。もう一社の方は、水を向けたのですが、黙殺されました。「お前にとって、重大な事件なのかい?」と言われているようで、赤面のいたりです。まだ屋台骨はしっかりとしている・・・と感じました。