ナーガールジュナ(龍樹)Ⅲ

2012March21b
ナーガールジュナという方は世界の十指に数えられる哲学者という大きな存在の方ですから、わたしが理解するのに悪戦苦闘するのも当たり前です し、たぶんほとんどわかっていない・・・のかもしれません。ヨーロッパの学者の方々には、虚無主義、否定主義とみなす人が多く、批判的な勢力は小 さいものではありません。もっとも、アリストテレス以来実在の否定という考え方そのものがヨーロッパにはありませんから(ごく近代になって芽生え ていますが)拒否反応ももっともかもしれませんが・・・竜樹の著作の中心をなす「中論」は嘉祥大師吉蔵の注釈やチベットのお経など信頼できる文献 は多くあるようです。八宗の祖といわれるように日本の仏教のすべてはナーガールジュナの思想をもとに発達しているようですから避けては通れない存 在ではありましょう。

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