菱健、特選小紋

菱健の菱健らしい気品のある小紋です。一昨年くらいにこのタッチの小紋を求めたのですが、それ以降たびたび訊ねましても染めていません・・・といわれていました。菱健さんは京都でも大手の染屋さんですから、膨大な数の資料があり、もっと低コストのものが求められるとそちらを主に作ってまいります。この小紋はいわゆる”送り”と呼びます染め方です。長い板の上に布を張り、型紙を置いて糊をしごき、次々と型紙を送ってまいります。5色を使う小紋では5枚の型紙を用意します。摺り染めなども型紙を当てて刷毛で染料を刷り込み、ぼかしなども刷毛で染めて表現してまいります。いわゆる板場の仕事です。別に、柄の部分を防染しておいて地色を染め、柄の部分を筆で染める方法もあります。こちらはみなさまご覧いただいている染屋さんでは成謙さんとか名前を出していないたきちのホームページでよくご覧いただいている染屋さんなどです。それぞれ特徴があるのですが、板場で染める小紋は1反だけ注文しても染めてはもらえません。糊の調合、板場の準備など機構としてものつくりをなさる作り方に向いています。筆で挿す仕事は1反染めても10反染めても一反そめるのにかかる手間は変わりません。江戸初期に宮崎友禅斎が始めたとされる型友禅がこの送りに相当いたします。むかしから菱健さんの極上の気品ある板場の仕事は定評がありました。いまもさすがと言えるきりっとした染め上がりです。どうぞ菱健の小紋を楽しんでお召しください。¥79,000、-(別税)でお願いいたします。