板締め、夏名古屋帯

この染屋さんは、以前から名前は申し上げていません。本来、作品もネットに出すことも困ります!と言われて、何とか名前と値段は表記しないということで折り合いをつけてもらっています。ひとつづつの手つくりのものですので、ネットに出して注文をいただいてもっと制作する・・・ということはない品物です。たしかに、量産しないものをネットに載せることの意味を考えてみますと、いろいろ複雑な思いもいたします。私の場合は、じぶんが老齢で、お客様も同じようにお年を召された方も多く、とてもご覧いただきに伺えませんし、お客様もお越しになれません。すこし離れたお客様はネットでご覧いただいて、見てみたいものをお送りするようにしています。ネットのホームページはそのような意味で、私にとってはとても大切な伝達手段ではあるのです。この帯地は一昨年に求めた帯地です。夏の紬地を板締めで染めたものです。板締めは、米沢で作家さんがわずかに作っておられますが、だいたい滅びた染め物です。同じ柄を彫った板の間に布をはさみ、染めてまいります。絞りと同じように、防染糊で量産ができる以前の柄の加工方法でした。野趣に富んだもので、男のきものや襦袢、女性用にも小紋などにとても趣があり、わたしは若いころはとても魅力を感じました。麻や紬の板締めのきものなんか、魅力的だと思います。(この帯は京都でつくられています。)最後の写真は、生地の透け具合をご覧いただけるかとおもって載せました。¥75,000、-(別税)でお願いいたします。フォーマルな目的にはすこし違いますが、単衣から夏の季節の小千谷や夏大島、夏結城や粋紗などにはよく似合うのでは・・・とおもいます。お安くなっています。