小千谷ちゞみに友禅

小千谷ちゞみは7月8月のきものなのですが、最近は6月から9月までお召しになられます。礼装にはなりませんし、お茶会にもちょっと使いつらいです。でも、お茶などを含めて、お稽古着としては夏のきものとしてはこの上ない着心地があり、ご愛用いただいています。皆様のご利用のお話を聞きますと、やはり外出の時のおしゃれなきものとしてお考えになっておられるようにおもいます。あるお客様は、用事で銀座にでかけたときなど、周りの方々が暑そうにハンカチをお使いなのが不思議に思えるほど、涼しく快適でした・・・と話されていました。もっとも、長じゅばんも麻、肌襦袢も麻・・・すから、ひと昔まえの夏の装いではいらっしゃいましたが・・・わたしは子供のころから、小千谷の麻はなじみのきものでしたので、夏になるとひんやりとした苧麻の感触は快いものとの記憶があります。苧麻の産地は、日本では小千谷と近江と二つです。近江も最近は紡績の技術が発達して、麻の長じゅばんもきものも柔らかく改善されていますが、すこし前までは、はっきりと製品に差がありました。小千谷では、長じゅばんは紋のものは生産が無くなりましたが、近江ではまだ生産しておられます。いつまで継続なされるのかわかりませんが、紋の麻の長じゅばんをお望みの方は、近江の麻を求めていただきたいとおもいます。苧麻は値段も高く、特に小千谷のちゞみは手がかかっていますので、白生地の状態でもたかいものです。でも、ご家庭で洗えますし、お召しになられての快適さ、二世代はお召しになれる丈夫さ・・・など考慮に入れていただきますとけっして高いとは言えないと思います。この小千谷の染め物は、わたしが柄を好んで注文で染めました。東京染めです。麻の染色は難しいのですがさすが専門です。上手に染めておられます。昨年染めてもらいましたので、在庫処分をしなければならないのですが、柄もよく、わたしの大好きながらでもございます。¥68,000、-(別税)でお願いしたいのです。