小千谷、紅梅の綿麻ゆかた地

小千谷の綿麻ゆかた地が一点残っておりました。この生地は写真をご覧いただきましたように、紅梅に織られておます。紅梅は四つともよびます。薄い紗のような生地では浴衣でも生地が弱く、少し太い糸を縦横にまばらに入れ、強度を保ちます。絹素材で織りますと、絹紅梅と呼んでいます。(絹四つとも申しております)この生地は綿と麻の交織です。浴衣の上級品でございます。絹で織ります紅梅が、よそ行きの浴衣といたしますと、綿麻の紅梅は絹紅梅とあまり変わらないのですが、普段にも浴衣としてお召しになる方もおいでです。長じゅばんなしでも浴衣としてお召しいただけます。この下に、今は生産されていないと思いますが、綿の細糸の紅梅も以前はございました。きものが日常の衣料であった時代は、コストと着心地と目的がそれぞれ明確でした。ゆかたは家庭着であり、外出時には長じゅばんを着なければ失礼な先には絹の紅梅、それほどでもない場合は、麻であったり綿麻であったりでした。その中で紅梅織りはすこし高級品でした。いまは長じゅばんを着ない浴衣が数万円もするものがあるのですが、それは単に値段が高いということでございます。浴衣は家庭着であった時代がございました。いまもそのように・・・と申し上げているのではなく、いまでもそのルールが生きている世界もあります。わかいお嬢様方が浴衣で花火見物のテレビを拝見します。それはうれしいことですし、拝見していてほほえましいとおもいますが、時と場合がございます。年老いた爺さんの余分なおせっかいですが、わたしが伺う先様では、そのような話題が結構ございます。「このような先に、このような目的で伺うのだが、どのようなきものにどのような帯で伺おうか・・・?」電話でお訊ねの場合もあります。一片の知識としてご記憶いただければさいわいです。この紅梅浴衣地は¥35,000、-(別税)でお願いいたします。