河崎さんの手織り名古屋帯

河崎さんはみなさまにとってもなじみのある機屋さんだとおもいます。お祖父さんが龍村さんの工場長であったこと、平蔵さんが亡くなられてご自分で帯を織りだされたことは業界では周知のことですが、この十年ほどは本袋の練り糸の袋帯でみなさまにもご愛用いただいています。ある帯屋さんが頼んで名古屋帯を始められました。初めてのことでわたしもびっくりしました。地は織成ともうしますナナコ(斜子)の地です。もちろん手織りでございます。最後の写真は裏から写してございます。スクイではありませんが、手織りでなければこのようには上がりません。わたしといたしましては、初めての名古屋帯ですので、期待を込めてご希望の値段で求めています。将来は価格は検討いたしますが、ともかく糸も織も正統派の名古屋帯がうまれました。柄数もこれから増えてまいりますかとおもいます。手織りの名古屋は捨松さんでも作れなくなる一方です。また、つづれなどは美術工芸品の値段になってしまい、実用品の価格ではなくなりました。この帯地でも10万の見当でございますから、実用品としてはすこし高いとは思います。でも、織機で織った帯地でも、糸や織を吟味した良品は市価で10万はゆっくりと超えています。多くの機屋さんが名古屋に挑戦なさるのですが、よほど基礎がしっかりとしていないと、とても使い物になるような帯にはなりません。このように正統派の機屋さんの中から珍しく名古屋帯が芽吹きました。みなさまに育てていただきますようお願いいたします。¥98,000、-(別税)でおねがいいたします。