引き箔名古屋帯

わたしたちの年齢の呉服屋が若いころからなじんでいました古典の名古屋帯です。箔を引いていますが、昔は手織り以外引き箔は織れませんでしたが、いまは織機でも織れるようになりました。でも、多少楽になったくらいで、誰にでも織れるものではありません。よく吟味いたしますと上手下手もありますし、箔自身の品質もまちまちです。この機屋さんは名古屋帯しか織っておられませんので、感覚的にも袋帯のにおいがいたしません。お太鼓と前と垂れに錦で華紋を置いています。名古屋専門の方の配慮ですね。この帯はこの機屋さんの中でもすこし高いです。¥79,000、-(別税)でおねがいいたします。

昨日京都の買い継ぎの方に電話で話を聞いていました。いま、西陣の機屋さんの数が70軒くらいになったといわれます。他に量産する帯屋ともいえないような機屋さんが数軒。わたしが帯に苦しむのも当然で、作られていないのですから・・・・と念を押されました。おもいきった改革をしている機屋さんもあるようです。ある機屋さんでは、いままで15万くらいの給料であったのが、手織りで熟練してくると20万あるいは30万でも給料を出すようにしています。さすがにいい織手が育つようになっているといわれているそうです。でも、織りあがった帯は3割くらいの値上がりになるようです。丹波屋さんやまことさんが高くなった・・・などとわたしは嘆いているのですが、考え方を改めないと付き合ってもらえない・・・ようになってきています。