楽器の柄、小紋

めずらしい楽器の柄の小紋をおたのしみください。地色は黒地で、手描きの作品です。最後の写真は裏側からの写真です。筆をとって描いていますので染料が裏まで通っています。染料でなく顔料ですと、生地の中に入らず、上に乗せる描き方になりますので、裏まで染まりません。一般的に顔料は退色がございません。染料は、淡い藤色やブルーなどは退色が激しいです。沖縄では光線が強く染料ではすぐ退色しますので顔料を用います。顔料はにじみもありませんから、紅型は一枚の型紙で顔料を使って摺り染めにいたします。この小紋は典型的な京友禅で、図案を糸目で伏せ、地色を染めて、糊を洗って、柄の中を彩色いたします。最後に地色と柄の境を作っている糸目糊を揮発洗いをして仕上がります。このような小紋は実用を超えて、おしゃれな用途でございます。呉服屋も60年の余、いたしておりますとおおよそのものは手掛けております。このような小紋も、十日町でも型に手挿しで染めております。味わいはおおきく違いますが、このように1点づつ作る染めに特有の匂いともうしますか魅力に抵抗できなくなって求めます。どなたにもお求めいただけなかったらどうしよう・・・とはその時はまったく考えていません。手元におりますと幸せを感じています。この染めは値段も染め屋さんも申し上げれないのです。楽しんでください。でも、値段はそんなに高くないとおもいます。