河崎さん袋帯

 

 

 

河崎さんの袋帯をごらんください。ただいま三流れ在庫がございます。河崎さんは今の代の祖父にあたられる方が龍村平蔵さんの工場長を務めておられました。平蔵さんが亡くなられて独立して機屋として織り始められました。今の代の方は、帯屋さんとしてよりもタペストリーの作家としてのほうが通りがよろしいかもしれません。感覚的にそのような雰囲気を感じさせるデザインを多用なさいます。この帯は本袋に織られていまして、糸遣い、機は龍村さんをほうふつとさせます。わたしはもう注文することもございませんが、新柄を意欲的におつくりになっておられ、新しい感覚の袋帯としてファンをお持ちでございます。170000でお求めいただいておりました。在庫の処分として¥125,000、-(別税)でおねがいいたします。わたしがのれんを降ろすにあたり、ただいまバーゲンセールをいたしております。みなさまは閉店セール、90%OFF といった文句をよくご覧になられるかもしれません。でも、多くの場合、その店の商品ではなく、問屋の処分したい持ち込み商品の場合が多いです。わたしはそのような仕事のやり方をしたいとは思いませんし、いたしたこともございません。可能な限りの値下げはさせていただかなければ・・・と思っていますが、半額にはとてもできないのです。品物は吟味してたしかなものを選んでおります。いつもお求めいただいている値段ではご納得いただけないでしょうとおもいますが、三割くらいの値下げが限界でございます。どうぞご理解をいただきたいとおもいます。

きょうは涼しい朝が迎えられました。このような朝を迎えたのは久しぶりのような気がいたします。気持ちも新しく、年の暮れに向かって頑張れそうにおもえます。9月に入り、京都の生産の現場のはなしも聞こえてまいります。帯の世界はほんとうにひどいことになっているようです。とにかくいいものが作れない・・・との悲鳴が聞こえます。泰生さんに頼んでいた〆切りの整経も染める職人がいなくて、断念しなくてはならない・・・ようです。作れるものがどんどんレベルが下がって行く・・・時代はとても悲しいです。よりいいものを・・・と思うことで支えられてきた誇りもくじけそうです。でも残された日々を自分の力の及ぶ限り努力をしてまいります。