琳派

わたしも時々使いますが琳派という言葉をみなさまよく聞かれるかと存じます。尾形光琳の琳であらわされる表現の世界の総称でございますね。俵屋宗達から尾形光琳、そして酒井抱一へと引き継がれた表現の様式です。でも、琳派という言葉は昔からあったものではありません。明治以降、宗達、光琳、抱一などの評価が高まり、琳派という言葉がうまれていたのですが、わたしが実際にその言葉を聞くようになったのは最近1960年代以降のことでございます。でも、琳派って何なのか・・・私も含めて、よくわからないで使っている傾向があるように思います。宗達の風神雷神図、光琳の屏風絵紅梅白梅図、抱一の夏秋草屏風図などはあまりにも有名な作品ですが、その傑作を生んだ風土はあまり語られていなのではないのか・・・そんなにわたしは感じています。専門の先生方が多くの著作を通して研究なさっておられるのですから、わたしが同じ世界で何かを申し上げようとおもっているのではありません。ただ、琳派を生んだ風土、時代の雰囲気などはとても大切な要素であり、いまのきもの業界を考えますと、何かのヒントがあるように思えてならないのです。もういちどページを替えてみなさまに訴えたいとおもいます。写真は宗達の風神図から採って、宮下さんという名手に爪掻きつづれで織ってもらってたきちの創作品です。ただいまはお客様の所有ですが、わたしが琳派なるものに入るきっかけにになった作品です。