新年のごあいさつ

新年おめでとうございます。

みなさまよき年のはじめをお迎えになられたことと存じます。たきちは、昨年、みなさまのご支援をいただきなんとか無事に過ごすことができました。こころから御礼もうしあげます。

たきちは昨年末でのれんをおろさせていただくことにいたしました。わたしも80歳を目前にいたしまして、体力もおとろえ、仕事の端々で心配りを忘れたりするようなことが時々できてまいりました。まいにち暖簾をだし、留守にすることもままならない生活を長年つづけてまいりましたが、休みたい日もあり、体調の優れない日もできてくる年齢になってきたのを自覚いたします。家内も病を得て、小康状態ですが難病でもあり過度の負担を避けたい気持ちもございます。私が欠けましても家内が欠けましてもたきちはなりたちません。わたしの知識や経験は毎日きものを着て生活していました家内の「着る人から見た感覚」を抜きにしてはただの知識にしかすぎません。

のれんはおろしましたが、洗いやしみぬき、仕立て替えなどの仕事は1~2年は勤めさせていただけるとおもっています。また、昨年末ではとても終わらなかった在庫の整理にも2~3ヵ月かかるかとおもいます。

わたしは隠居をさせていただいたような気分でございますが、隠居の仕事もとてもいい面がございます。義務からすこし離れて、自分のしたかったことを少しでもできるのではないか・・・と考えております。追々、申し上げてまいりますが、むかしから街中の呉服屋がしていたようなごく普通の常識的なきものにかかわる仕事をすこしでもさせていただきたい・・・と念願しています。