小千谷、麻のちゞみ生地

 

苧麻の布地の産地は、日本では新潟県の小千谷と滋賀県の近江麻と呼ばれている二つです。近江麻はわたしの感覚ではすこし硬い・・・かなと感じますが、最近の製品をみますと差異はほとんどないのでは・・・とおもっています。小千谷の麻の長じゅばんは、地紋のある織物が無くなり、絽目か無地の平かちゞみかになりました。写真の生地は染めの柄下に使う表生地です。ちゞみは生地幅を広く織り、ぬるま湯の中で手で揉んで縮ませます。夏の時期のきものですから、できるだけ肌に当たる面積を小さくすることでべたつきを抑え、涼感を大きくいたします。みなさまは染めあがった製品でご覧になっておられるかとおもいますが、自分で染めてみたい方はちゞみの白生地としてご入用なのです。また、既成の染めあがった色でなく、自分好みの無地の麻のきものがご入用な方にとっても必要なものです。男性も女性もこの生地をお使いになられます。もっとも糸の太さに違いがあり、細い番手ほど肌さわりはよくなります。むかしは番手が表示されていたのですが、最近は表示がありませんので自分の手の感覚を頼りに番手や糸質を推測いたします。100番手を超えますとまず着てはご満足いただけると思います。150番手くらいの糸を使って織るものもあります。南米アンデスの古い布地には150番手くらいの苧麻の糸が見つかっているそうですから、世界各地で着心地のいい麻が競って作られていたのですね。この生地は¥45,000、-(別税)でお願いいたします。