浜4丈、河藤変わり無地

 

 

わたしは丹後の生まれですので、近江長浜はよくは知りません。ただ、昔から留袖、訪問着などは浜の生地が染め味、着心地、生地の持つ厚みのような味わいが好まれ、最上の生地として評価されてまいりました。丹後のものに比べて少し割高でしたし、いまも高いです。長浜では、この河藤、南久などがトップメーカーといわれてきました。最近、業界通といわれる買い継ぎの方の話として、1社か2社を残して、他は生産を中止なさるのではないか・・・といわれます。生産量が激減していて機屋としての経営が成り立たない状態のようです。丹後もあまり変わらない状態なのですが、長浜はもともと生産量が少なかったですから、月に500反を割り込みますと赤字経営に陥るようです。たぶん最盛期の10分の1以下になっているのだと思います。古浜ちりめんとして知られた太いしぼのおもい風呂敷のようなちりめん生地もまもなく生産されなくなる様子です。また、八掛生地を一緒に織った、4丈ものも織られなくなり、3丈ものしか生産されなくなるといわれます。写真の生地は、ご注文いただき、問い合わせましたら4丈のAB反が4反ありましたので求めたうちの1反です。無地の紋付用に3反ご注文いただいておりますので、1反のみでございます。¥52,000、-(別税)でおねがいいたします。無地の紋付用ばかりでなく訪問着の柄下としてとてもいい生地でございます。

今年に入りまして、ホームページはあまりアップしないつもりでおりました。ご注文いただいたもののみを求めて、としよりらしくつつましく・・・とおもっていましたが、まいにちたくさんの方がホームページにおとずれていただきますと、なんともいえないうれしさがございまして、最低の数ではございましてもご覧いただきたい・・・とおもうようになりました。以前のように魅力を感じた品物はどんどん求めて・・・ということはいたしませんが、古い価値観の呉服屋として、わたしのきものの世界をもうすこしご覧いただきたい・・・と思います。