パレス地、ウオッシャブルの絹の長じゅばん

裾回しの軽めの生地の長じゅばんです。織キズが出来、長じゅばんの柄に染められず、私のところに回ってきました。織キズともうしましても、長じゅばんになさるのに支障はございません。1尺幅と1尺5分幅の二種類ございますが、それぞれ4反づつですので、数はごく少ないです。壺金の長じゅばん生地よりすこし軽めです。精華(パレス)の織り方は、裾回しに使いますから、細い糸で強い撚りをかけて打ち込んで織ります。薄地で強く、サラサラと滑りがいいのが特長です。綸子の長じゅばんの柔らかい、肌に添うような感じがする生地と反対の性格を持っています。たとえば、大島のような薄地のさばきのいいきもの等にはよく添ってくれます。最近の小紋や付け下げなどは、腰のある変わり無地が多く使われていますから、添いはいいとおもいますが、むかしの一越や古浜ちりめんなどには、やわらかなまとわりつくような生地の長じゅばんがよく添うとおもいます。1尺5分の生地は男物の長じゅばんの柄に染める生地だったそうです。8反でございますが¥14,000、-(別税)でおねがいいたします。

今年は正月以来、機屋さんや産地の買い継ぎの方々が何社も新しく飛び込みで見えていました。わたしにとっては貴重なそれぞれの産地の情報源ですのでみなさまの話をじっくりとお聞きします。ある紬の産地の買い継ぎの方の話では、全国の展示会の予定がびっちりと詰まっていまして・・・・と言われ、わたしのような買い取りの方のことはそんなに重点を置いていない・・・とのことです。機屋さん方も、そのような展示会の予定に沿って生産をしていますから、そのようなやりかたで今年も企画が進行しています・・・とのことです。品物だけが委託で日本全国を転がされ、少しづつ消化されてゆく・・・そんな販売形態がことしもつづくようです。個性的な手作りのものは流通に乗りませんからますます売れなくなり、次々に姿を消すようになります。ごく自然なことですね。時の流れでございましょうか。