風神図の訪問着

 

 

みなさまこのような訪問着はいかがでしょう。とても難しいきものでございます。お召しいただく機会もすくなく、記憶に残る柄でもあり、一度お召しになられますと、おなじ会合には再度お召しになりにくいきものです。ただ、染めとしては”作ってみたい・・・”と思わせるだけの魅力的なテーマです。染めたのは加賀の著名な作家さんです。先日、寸法が合わなくなったので仕立て替えにおあずかりいたしました。ずいぶん以前の作品なのですが、いまも生き生きと染めあがったばかりのような新鮮さを感じました。数日懸けて拝見しているうちに、個人的な好みなのですが、すこしタッチが強すぎないだろうか・・・と感じるようになりました。たぶんわたしの年齢のせいだと思うのですが、このテーマを京都で染めたらどのようになるだろうか・・・とまいにち考えております。この訪問着を染めたところは、わたし存じていまして、いまでも染めてくれるのですが、構図も少し変えて、そめてみたい・・・と考えています。

まいにち、仕立ての柄の裁ち合わせや、色の選定などいくら時間をかけても終わらない仕事を楽しみながらさせていただいています。このようなむずかしい訪問着を染めなくてもいいのに・・・と思いながら、やはり挑戦してみたい・・・とおもっています。