松葉亀甲・付け下げ

 

 

淡いモスグリーン地に松葉で亀甲をデザインした上品な付け下げです。地は裾をぼかしにそめてございます。力強い柄ではございませんが、見る人をホッとさせる穏やかな雰囲気がございます。加工は糸目を伏せ手描きで色を挿した本格的な手描き友禅です。エネルギーに充ちた若い方のための付け下げと違い、着る人の奥行きを感じさせるしっとりとした情感のあるきものです。この付け下げは昨年の暮れに間に合うつもりで発注していたのですが、時間がかかりまして染めあがりましたのが1月の末のころでした。今年の秋まで置いておこうと思いしまい込んでいまして、先日発見いたしました。わたしが物忘れが多くなり、このきものも陽の当たる席に置かれませんでした。この染屋さんは手抜きという言葉を知らないような発想の方ですので、作りは頑として生地染め共に一流のつくりでございます。値段は申し上げませんが、型ものと同じくらいの値段でございます。目立たない品の良いきものとしてお手元に置いてやってください。