七野、引き箔袋帯Ⅱ

 

 

 

わたしのような昔の呉服屋は感覚的についてゆけないのですが、買い継ぎのかたの話では、このような柄が支持されているのだそうです。わたしは日常着としてのきものから出発していますので、おしゃれな感覚はあまりありません。でも、広い視野から見ておられる買い継ぎのかたの話は前向きに受け止めなければわたしが時の流れから置いてゆかれます。ただ、帯の品質は素晴らしく、みなさまに触っていただきたいと思います。わたしの父はつづれを織っていましたから、わたしもいろいろな糸に接していました。この本袋という織り方は表生地と裏地を同じ糸で織ります。それは練りこみも糸質もよほどよくないと織れない拵えです。これが本来の帯というものです・・・と申し上げたいほど上質の帯だとおもいます。