昨年の心に残る作品

 

 

昨年はたきちにとってとても意味のある作品をいくつか創作させていただきました。この留袖は12月にお召しいただいたのですが、9月に図案が決まり、おおよそ3ヵ月かかって完成いたしました。京友禅の代表のような重い染めです。ご注文がだれでもまねできるような留袖ではなく、きちっとした格調の高い柄ゆきのものを・・・とのことで、予算が大幅に高くなったのですが、誂えで別染めの加工でつくらせていただくことになりました。染め屋さんはベテランですのでわたしは安心していましたが、染め屋さんはそうとう苦心の作品だったろうと思います。訪問着とは彩色が大きく違ってまいります。バックが黒ということは、彩色がそうとうしっかりとしていないと地色にまけてしまいます。ご覧いただいていますように、品格のある留袖にできたと自画自賛いたしております。お客様もご満足いただけましたようで、呉服屋としてはとても記念になる作品になりました。ふつう、箔は代用金を使うのですが、染め屋さんが、これくらいの作品ですと本金箔でないと・・・・とのことで、本金の箔にさせていただいています。一つ一つに気持ちと時間をかけることが出来るような立場になりました。このような作品を作らせていただきましたことに感謝しております。