付け下げⅡ

この付け下げも昨年の傑作のひとつでした。職人の腕の冴えを見せつけられたようにおもいます。染め上がりを求めたのですが1週間も経たずにお求めいただきました。わたしは同じ柄を追いかけて次々と作る・・・ことは考えませんので一作で終わったのですが、この付け下げはもったいない・・・と思いました。たぶん、お召しいただいてご満足いただける方がもっといらっしゃる・・・とおもえます。でも、やはり作品は一つでいいのでは・・・ともおもいます。このような手作りのものは次に作りましても同じ感動を得ないことがあります。また、もっと素敵に生きて染めあがってくるかもしれません。でも、すべて第1作との比較になります。なんとなくそのような目で1作目も2作目も見てやりたくはないのです。作品を拝見しますと、悉皆のひとの発想、職人の気持ちがわかります。乗り気でない仕事をしているかどうか・・・そのような目で2作目を見たくないと思います。このようなぜいたくなことを申し上げれる今のわたしの立場は年寄りの生き甲斐といたしましては過ぎたことと感謝いたしております。