さしめさんの雨コート地

 

 

 

五百機織り(さしめ)さんの雨コート地3反をご覧ください。この3反ともに織り難があるAB反です。もちろん、コートになってキズが出るわけではございません。わたしも何十年もこのコート地を取り扱ってまいりましたが、AB反が手に入ったのは初めてのことです。すこし値段が開きすぎていますので、AB反としての値段を申し上げるのはごかんべんください。たぶん、今後もキズ物がわたしのところに回ってくることはないとおもいます。合格の生地の値段はいつにても申し上げます。ただ、米沢も雰囲気が変わってまいりまして、機屋さんの負担が重すぎるのを分散しようではないか・・・といった考え方がうまれてまいりまして、産地問屋(買い継ぎ)が自分の独自の柄を機屋さんに織ってもらう・・・方式を部分的に導入しておられるようです。優れた品質の品物が安定して提供してもらえることは私たちにとってはメリットがあることなのですが、競争原理はいくぶんかなくなるのでは・・・とおもいます。私個人としては、さしめさんの織物の品質を考えますと、まず、安定して継続していただくことが大切なことだとおもいます。それだけ上質の生地のメーカーです。

話は変わりますが、京都の仕立ての様子が大きく変わってまいりました。すでにトップメーカーでは20%以上の値上がりになっています。昨日、主力の仕立て屋さんと話していたのですが、1~2か月の間に値上げをお願いしなければなりません・・・と言われました。コロナ騒ぎ以降、仕立ての数が激減して、縫子さんを抱えているところは大きな赤字のようです。わたしは、安くいたしますのでぜひよろしく・・・と言われるかと思っていたのですが、そのような発想はどちら様もないようです。たしかに大きな問題だとおもいます。腕はよくないと困りますし、仕立て代が4万台になることは私には考えれませんし、従来のお仕立て代から3,000~4,000円くらい値上げさせていただかねばならないかもしれません。帯のほうは5月の末に大手の買い継ぎが倒産いたしました。わたしの存じよりの機屋さんたちは、減産をして注文だけに対応することでなんとか生き残りを・・・と言われます。いずれにいたしましてもしばらく様子を見ていませんとどちらに進むのかわからない時代だと思っています。