中国史。

昨年、私の読んだ本の中でもっとも面白かった本が、この岩波から出ました新書の中国の歴史シリーズでした。先日、入院で誰にも会えない2週間に思い出して読み返してみました。アンカーの岡本先生は京都府立大学の先生で、以前からユーラシア大陸を俯瞰なされての東洋史がすばらしく、愛読させていただいていました。さいきんの中国の発言や発想そのものが理解できないことが多いと感じているのですが、このシリーズを一読しまして、中国のものの考え方、その実践方法など、なるほどこのような経験を基礎にしてものごとを進めようとしているんだ・・・と、納得はできなくても少しは理解できたかも・・・と思っています。じっさい、中国に在住していますと、中東など西への関心が大きく、日本に住んでいてはわからない姿が見える・・・と中国在住の方のお話にも聞きます。余談ですが、かってイギリスは中国にアヘン戦争をしかけ、世界中忘れることが出来ないひどいことをしたように私などは思っていますが、岡本先生のお話ですと、当時のヨーロッパと中国の関係において、中国のお茶、陶器、シルクなどの輸入が圧倒的に入超で、通貨の銀が中国に滞留し、国際的に決済が困難な状況になっていたのだそうです。インドを植民地としていたこともアヘンに直結した事情はあったのだと思いますが、善悪の話ではなく、日本でもかってBIS規制など、日本いじめと感じることが多かったのですが、もうすこし視野を広げて考えることも必要ではないだろうか・・・などとも思ったりいたします。やはり、アヘンでなく入超を緩和すような方法を協議し探ることも大切なことではなかったろうか・・・ご一読いただきますと、中国のニュースのたびに感じる消化不良はすこしは緩和したように感じています。ご一読をお勧めします。