引き箔袋帯

 

 

ちょっとカジュアルな袋帯をごらんください。引き箔で織り上げていますが、箔は両面で、織機で織っています。でも、いまは引き箔を織機で織るから手織りと格が違う・・・といった感覚は機屋さんにはございません。織機の箔でも織り手の高度な技術がなければ織りあがらないようです。手織りの引き箔がもう織られていないのでは・・・と思いながら先日引き箔の無地の名古屋を注文いたしましたら、手織りで3段階あると返事がまいりました。まだ存在していました。ただ、箔の無地はキズになりやすく、10点織って2~3本はキズになるといわれます。ですから、10点くらいご注文いただきたい。キズ物も含めてお引き取りいただきたい・・・との条件付きでした。以前ですとそのような勝手な話は考えられなかったのですが、いまは生産者を保護し育成も考えなければなたない時代です。話は写真の帯にかえりまして、この帯地の箔は漆箔でございます。和紙の上に漆や金銀泥で絵を描き、細く裁断して織ります。片面の箔では織機で織って箔がひっくり返りますと裏の白が表に出てしまいます。ですので、両面に同じ柄を描く両面箔をつかいます。みなさまも帯の裏の耳の部分をごらんになられますとひと目でわかります。業者の知識レベルが低くなっていますから、自衛のために知識を身に着けていただければありがたいとおもいます。この帯地は名古屋帯専門の機屋さんが織っておられました。柄の雰囲気も名古屋帯の感じがございます。機が上がりますので処分します・・・とのことで、¥115,000、-(別税)でお願いいたします。