特殊な白生地、二点

 

 

 

みなさま隠居いたしました呉服屋のホームページに訪れていただきありがとうございます。わたし、三月くらいまで在庫の整理に一生懸命になり、その後のことはあまり考えていないのですが、お正月以来、いろいろとご注文いただき、ありがたいことと感謝しながら、ゆっくりとでございますが取り組む日々を過ごしております。先日、白生地の買い継ぎのところで珍しい貴重な品物をすこし見つけまして、みなさまにご覧いただこうとおもいます。

上の写真の白生地は、一方付けと申します松の柄が全部上を向く付け下げに織った白生地です。松の柄が、どの部分でも上を向くように織られています。以前はこのような白生地は地紋を手描きで起こして、付け下げ小紋に染めたり、上前や肩、袖にポイントで刺繍を入れて、礼装ながらおしゃれな軽い付け下げに作ったりいたしました。最近は、そのような手の込んだ付け下げの需要がすっかりなくなり、生地も入用な方が少なくなりました・・・とのことで安くで放出してくれました。合格品で、AB反ではございません。¥24,000、-(別税)でおねがいいたします。なお、二反ございましたのですが、荷物が到着しました時にお越しになっておられましたお茶の先生が、ポイントの刺繍を入れて、付け下げに作りなさいとご注文いただき、来年の社中の初釜に・・・とのことで、一年かけて作らせていただくことになり、一反のみの在庫でございます。

下の写真の白生地は、小千谷の座繰りの糸を使った三眠蚕の白生地です。座繰りの糸でございますので、糸に多少の太い細いがありますが、貴重な白生地です。地厚に織られていますのでわたしは単衣用にお使いいただきたいと思っています。多少生成りの色に戻っています。値段は¥41,000、-(別税)でおねがいしなければなりませんが、一桁違うくらいお安いと思います。AB反ではなく、織キズはございませんが、すこし生成りに戻っています。