藤田さんのドット名古屋帯

 

 

先日も申し上げましたように、藤田さんはちょっと特別な機屋さんです。他の追随を許さぬ高い織りの技術力は業界の誰もが認めるレベルです。社長さんの理想を職人の人たちもよくわかり、最近の業界の中では異例と言ってよい光彩を放っている機屋さんです。わたしは大いに尊敬し、できれば現役中に扱いたかったのですが、ご存知のようにわたしは小紋や付け下げ、無地の紋付、ウオッシャブルの長じゅばん、お茶席の帯地などの仕事に追われ、このレベルの重い仕事に取り組めませんでした。いま、買い継ぎのかたの好意でこのようにたくさんの柄をご覧いただけるのは楽しいです。今日は一柄ですが明日からは日に二柄くらいはアップしたいと思っています。以前、どのように織られるんだろう・・・と興味を持ち、ひっくり返したりずいぶん研究してみましたがわかりませんでした。また、他の買い継ぎにも声をかけたのですが、取引が出来ない・・・と言われる結果でした。わたしのような数を買ってバッタ品の値段にさせようといった発想では通用しない機屋さんだ思った記憶があります。お客様のほうがよほどよくご存じで、職人の名前から、退職した時期までご存知の方もいらっしゃいます。買い継ぎの人も、静かなブームです・・と言われます。この柄は八寸の織で、雲海ショートと申します。一点一点同じものは作られませんしそれぞれに名前がついています。追加のご注文は受けてもらえません。ほんらいの高級呉服の在り方なのでしょう。