夏単衣のための生地に小紋を染めるⅡ

 

 

この生地は夏物に近いのですが、5月中旬を過ぎ、汗ばむような季節には心地よいきものだと思います。撚糸が強く、単衣にも適した織り方になっていると思います。このような生地は新しく開発されると、白生地屋を通してわたしたちに最初に紹介され、わたしたちはどの染屋さんにどのように染めてもらえばもっとも魅力的か・・・と考えて染めだしをいたしました。わたしも老齢になり、染め屋さんの試作品を通して新しい生地を知るようになりました。しかし、いい生地を開発するものですね。昨年は絹と麻の交織の生地に感心いたしましたが、今年はもっと積極的なものつくりをしていることを感じます。このぼかしの小紋もお客様がお求めなされた品物なのですが、「単衣夏の生地の小紋は欲しいというより、必要なものになってきています・・・」とおっしゃられます。実感でございましょう。