桜の花のスクイ九寸名古屋帯です。とてもよく織れています。スクイは毎回申しあげていますように、櫛や爪でヌキを寄せる手織りの技法です。綴れもスクイの一種です。この機は以前から機会あるごとに求めているのですが、この桜の花は初めての柄です。季節そのものの柄は本来お求めいただきにくいのですが、最近は四季を問わない柄よりみなさまに好まれます。下手な写真で申し訳ないのですが、三枚目の腹の柄の写真はスクイの雰囲気を感じていただけるように思います。¥69,000、-(別税)でお願いします。
昨日は、前橋の裏地や八掛のメーカーの方が見えました。御用は、値上げの要請でした。世界的に天然繊維の需要は逼迫しているようで、ブラジルの上質の糸はヨーロッパと日本は買値で競合しています。問題は中国の需要の動向で、中国でも富裕層を中心にシルクの需要が高まり、とくに真綿の布団は糸の使用量が大きいので、玉突き的に、近い将来日本は上質の糸を買いにくくなるのではないだろうか・・・との見通しを聞きました。中国の人件費も相当高くなり、治安も世界中で不安定がつづきますと、製造業は日本に回帰してくるのではないでしょうか。きもの業界でも都さん、捨松さん、河村さん、藤娘きぬたやさんなど、そうとう高い技術水準の帯を中国で作っておられるのですが、十年単位でみますと、ぼつぼつ変化する時代に入ってきているのでは…と思います