武井正義作・振袖

わたしも80歳近くなり、日々衰えを感じる毎日です。70歳のころから、お客さまには80歳まで頑張りなさいと励まされ、出来れば・・・・と自分でも励んでまいりましたが、最近は裁ち合わせ、柄合わせも間違いやすく、なんども繰り返して確かめるようになってまいりました。ぼつぼつ引き刻を考えるときになったと感じています。多くの作品はこの5年くらいでお求めいただきましたが、まだ残っている優れた染物たちを処分してゆこうと考えています。この振袖は、美展の作家さんの丸武工芸の武井さんにお願いして染めてもらいました。私にとっても記念の品です。武井さんは交通事故で亡くなられましたので、わたしにとっては遺作です。地色はご覧いただく色より少しグリーンが入ります。染めはご覧いただくように重い友禅です。今の京都でこのレベルの染めをするところがあるだろうか・・・と思っていただける作品です。一番下の写真は袖裏の染め柄です。八掛と同じ柄を袖裏にも染めています。値段は¥45万でおねがいいたします。(わたしが最初に付けた値段は150万円でした)大柄なお嬢さんでないと着られてしまう力があります。わたしの創作品の中ではもっとも高い品です。興味を持っていただきましたらご覧ください。