男大島と結城地機

 

 

 

 

男物はみなさまにとってはあまり魅力的な題材ではないかもしれません。産地も男物を専業とする業者も、原価は高くなり値段は通らないのでみなさん苦しんでおいでです。今日はいりました男物は大島と結城の蚊絣りの珍しいものです。最初の二枚の写真は、一幅に100粒の亀甲柄を織りだした泥染めの手織りの大島です。男物を代表する大島ですからみなさまご存知だとおもいます。値段は着物と羽織の二反分(疋ともうします)で¥230,000、-(別税)でお願いいたします。次の二枚の写真は、同じ奄美大島の男物なのですが、こちらはヒトモトという織り方で、産地でももうないかもしれない珍しい織り方の大島です。以前むずかしい説明を産地で聞き、その時は覚えていたのですが、もう忘れてしまいました。ただ、大島の原型のような織り方で、とても手間のかかる織物だと聞きました。拡大鏡で見てみますと、たしかに絣りに織ってありますがちょっと見には縞のように見えます。わたしが産地で勉強した時でも100粒の亀甲の二倍半、3倍近い値段でした。こちらは¥380,000、-(別税)でお願いいたします。最後の三枚の写真は、結城の地機、つまりいざり機の蚊絣りです。以前は国重要無形文化財の割判が押され、工程そのものが、重文と認められた品物です。十年ほど前、ある呉服の販売会社が織機で織った結城を重文と騙って販売し、信頼性が地に落ち、ただいまは地機とのみ表記しています。こちらは蚊が飛んでいるような十字絣りに織られています。亀甲と比べておしゃれな柄ですが蚊絣りは括りも難しく、高い結城として評価されています。この蚊絣りは7年前に織られたと聞きます。あまりに高くついたので、産地で反物に分けられ、一反として売られています。絣の設計は疋でいたしますが、反物に分けて売られるのですね。商札がついているのですが、あまりに高いので私が隠しました。こちらは反物で1,250,000、-(別税)でお願いいたします。