新作・付け下げ

 

9月に入り、棚卸に一生懸命でした。なにしろお爺さんですので、なかなかスムーズに運びません。途中でこの染めをどのように変えたらどんなきものになるだろう・・・などと考えがすぐ横のほうに広がり、染め屋さんと電話で相談したり、帯でもどうも納得いかなくて、どの機屋さんならどんなものをつくるのだろう・・・と連想して心当たらを探したり、時間ばかりかかっていました。ぼちぼち染めも上がってまいります。ひとつづつご覧いただきたいと思います。

この付け下げは手描きなのですが、工程を一つ簡略にいたしております。ふつう、図案の上に生地を置いて、下から照明を当てて、図案に添って手で糸目を置きます。その糸目を型で置くと、同じ柄の付け下げや訪問着が出来ます。糸目を置くコストが下がりますので多くの方に手描きのきものをお召しいただくことが出来、とても結構なことだと思います。20代から40代の方まで幅広くお召しいただけます。この柄は4色染めておられ、同じ地色はございません。一つみなさまにご注意いただきたいことがあります。型糸目は、手で伏せる糸目よりも、軟らかい糊でないと型紙になじみません。糊がすこし軟らかいので、地色を染めるとき、濃い地色ですと、糸目を越えて地色が柄の中に侵入する場合があります。そのため地色は薄い色にならざるをえないのです。また、糸目は手で伏せますと、やはり生きた線が出ます。上手下手が一目でわかります。私たちは一目見て、手の糸目か型糸目かわからないわけにはまいりません。糸目の工程だけ簡略にしても、大きく値段は下げられます。何かの折に思い出してください。¥98,000、‐(税別)でお願いいたします。