紅型染めの袋帯

 

 

染めの袋帯です。このような帯は最近は品質の劣る硬い生地を使うことが多いのですが、さすが一流の問屋が扱った商品ですから、生地も染めもきちっと作られています。生地は軽くて薄く、夏物なのかな・・・?思うくらい軽量です。染めは間違いなく摺り染めの紅型の友禅です。表記に、訪問着、付け下げ、小紋に・・・と書いてございますが、わたしは付け下げ以上にはすこし無理があるのではないかな・・・と思います。小紋や紬にはいい帯地になると思います。生地はまことさんが織って一世を風靡したよろけのような軽い生地です。糸質はとても上質で、おすすめしたいとおもいます。¥35,000、-(別税)でおねがいいたします。

みなさまも最近はきものが高くなったとかんじておいでではないかとおもいます。わたしが機屋さんから白生地を求めますのにも、毎月といっていいほど値段が上がっています。原糸が値上がりしているのが原因なのですが、原糸はブラジル、中国が大手で、トルコなども絹糸の産地です。日本は80円くらいの円高の時期に多くの養蚕農家は生産をあきらめました。現在は中国の上のランクの絹糸は日本産よりも高いのが実情だそうです。でも、いま日本の生産量では必要量が賄えないので輸入をせざるを得ない・・・という現状のようです。潰してしまった桑畑の再生から始めなければなりませんから、日本での増産は急には無理です。政府の補助政策はいい結果は生まないかもしれませんが、価格を安定させて一定の生産を確保できるような柔軟な政策がとれないものか・・・とおもいます。絹糸の価格の変動は、いまは見方が分かれているようで、まだまだ上がります・・・という人と、いまが天井で今後はすこし弱含みになるでしょう・・・というひとと分かれています。先日、新潟県の五泉の著名な機屋さんの小熊さんが廃業なさるといわれました。精華やチエニーなどの裾回しの生地は信頼できる小熊さんにお願いしていただけにこまってしまいます。裏地は福井でなく群馬の生産に頼っていますのでしばらくは大丈夫だと思います。