米沢の袴地Ⅴ

 

 

最後になりましたが、夏の袴地を二点ご覧ください。夏の袴地もあちこちとお願いしてもうすこし数が揃う予定でしたが、生産量が少ないのと、技術的にもむずかしいらしく機屋さんもキズ物でもあまり売りたいとは言われません。他の機屋さんとも値段の交渉で折り合えず、今回は断念しました。キズ物がもっと織れて値段が歩み寄っていただけるときまで待たねばなりませんが、この値段が高いと申し上げるのではなく、冬物に比べると夏物の方がしっかりとした値段だな・・・と思うくらいのことです。お調べいただきますと安さはご理解いただけるかと思います。この縞の駒撚りの糸で織りました仕舞袴が¥58,000、-(別税)です。写真右側の駒縦無地の袴地が62,000、-(別税)でございます。

また、仕立て代は、腰板に名前を刺繍でいれまして¥15,000、-(別税)でお願いいたします。

米沢の袴地Ⅳ

 

 

こちらは本仙台織の袴地と毘龍織の袴地です。本仙台織は珍色です。こちらはキズはございませんが色が個性的ですから・・・と言うことで、機屋さんがとても安く処分してくれました。¥39,000、-(別税)でお願いいたします。これはお買い得だと思います。三分の一くらいの値段です。

もう一つの毘龍織は、ちょっとおしゃれで紬のきものなんかにはとてもよく合うと思います。普段袴の感じでございますね。わたしがもう少し若ければ達付け袴に仕立てて普段に着用したい袴地です。¥25,000、-(別税)でお願いいたします。

米沢の袴地Ⅲ

 

こちらはキズがある織物です。もちろん仕立て上がってキズが出るわけではありませんから、その点はご安心ください。仙台平と呼ぶように、米沢平の袴地です。流行の先端と申し上げるような、すっきりとした柄です。生地もやや軽めで扱いやすく、若い方を中心に好まれて、数的にもたくさん作られている織物です。¥43,000、-(別税)でお願いいたします。

米沢の袴地Ⅱ

 

 

この袴地もキズ物ではありません。機屋さんの在庫だったものです。たびたびお願いしましたので、キズ物が少なく、正反の在庫を見切っていただきました。匁付き、織りともにしっかりとした、仙台平をほうふつとさせるしっかりとした袴地です。最近は若い人は、袴地でも軽い生地を好まれますが、私たちの年代では、この生地のようなしっかりとした生地を好みました。わたしはこの袴地はとても値打ちがあると思っています。¥56,000、-(別税)いたしますが、半値だと思います。

米沢袴地、10点

 

 

 

 

米沢の機屋さんには、袴のキズ物が出たらお願いします・・・と常日頃からお願いしています。多くの場合1反か2反送ってきてくれるのですが、今回は、キズ物ばかりでなく、そうとう優れた在庫を見切ってくれました。10点ございます。ご入用な方がございましたらこの折にお求めいただきたいと思います。

この無双織の袴地は、キズ物ではございません。機屋さんの在庫を処分してくれました。2~3年経ちますと織るときの機械油の匂いがふと気になったりいたします。そのような事情のものです。仕立てている間に匂いは飛んでしまうのですが、気になる方は3,000円で匂いはのぞけます。¥36,000、-(別税)でお願いいたします。ほぼ三分の一の値段です。

菱健の小紋Ⅱ

 

菱健の小紋も在庫が2反になりました。付け下げに至りましては1反だけの在庫です。いずれも菱健さんが染め上がりを東京まで持ってきてくれて、拝見して求めたものですので、私なりに最上の選択をしてございます。この柄は重い加工で、板の上の仕事とは申しましても、手のかかる染めです。段ぼかしに摺り染めですから他の著名な染め屋さんの仕事と比べましても遜色はございません。昨日の反物と同じ値段で、¥59,000、-(別税)でおねがいいたします。半額ともうしますと大げさなようですが、それくらいお安くなっているとおもいます。

菱健の小紋。

 

菱健の小紋も在庫が2反になりました。この柄の地色がすこしピンクがかって見えますが、じっさいには淡いベージュでございます。小さな柄ですが、摺り染めの細かい仕事がいたしてございます。このような繊細な仕事は菱健の伝統なのですが、評価をしていただける方が少なくなりますと次にものつくりができなくなってまいります。そのようにして一つの技術が消えてゆくのですが、それも時の流れで新しく生まれるものに新しい命が宿り、新しい魅力を作り出してくれます。わたしは若いころから見てまいりました菱健の染めですので、愛着をもってみております。お茶のお稽古着、街着としてほど良き品の良さを持ったきものです。最近は特に関東では、格の高い小紋や付け下げなどにも染め帯を合わせていただくことが多くなっています。織の帯は同じ柄を相当数生産しますから、思い切った柄を作ることが難しいです。その点、染めの帯は一点のみ作ることが可能です。たきちで拝見していましても、見本の柄に手を加え、地色も替え、その方のための帯にあたらしく作られる方が多くなっています。みなさまにご覧いただきたのですが、あまりにも個人のお好みが表現されていますので、ちょっとためらうことが多いのですが、多くの方のご参考になれば・・・とおもいますから、できるだけご了解をいただき、ご覧いただけますよう努力いたします。