風神雷神・訪問着

 

 

 

 

 

半年かかりましたが、ようやく風神雷神の訪問着が完成いたしました。わたしが多くの時間を入院していましたので、染め屋さんにほとんど負担してもらいました。テーマがとても難しいのでわたしは楽でしたが、染め屋さんにはご苦労していただきました。付け下げではなく訪問着ですから、それなりに重い感覚が要求されます。嵐を表現するぼかしもいい味わいで上がりました。上前に風神を配するか雷神を配するか・・・わたしは雷神を選択いたしましたが、風神を上前に置きましても同じように力があると思います。彩色は多くの場合はもっと力強く表現したくて、雷神や風神は目立つ色を使われるのですが、この染屋さんはそれはなさいません。丁寧な仕事で、難しい絵ですが品よく仕上げてもらいました。わたしがあまり力になれなかったのですが、よくできているとおもいます。大きな衣桁を仕舞ってしまっていまして、絵羽の状態で写真を撮れませんでした。お詫びしなければなりません、柄付けは左胸、右袖後ろ、左袖前と嵐を感じさせるグレーの濃淡のぼかしに二神を配しています。わたしの最後の創作品になると思います。風神を上前に配してもう一点作りたい気持ちがございます。着てみようとのご希望がございましたらぜひご注文ください。色挿しもその方のための配色を考えて、ご満足いただけるように努力させていただきます。値段は創作品としては半額・・・と思っていただける価格に設定いたしてございます。まだ会社の形でございますが、わたしの楽しみがほとんどで、経費のみ頂戴いたしております。みなさまにも楽しんでいただければ幸いです。

名門の袋帯三品。

 

 

 

 

 

 

 

いずれ劣らぬ名門の機屋さんの帯地です。トップの機屋さんは山口織物と並んで、唐織では有名な山城さんです。わたしは若いころはこちらに伺って、蔵から昔の図案を出していただき、地色や目色を替えて手織りで織ってもらったりいたしました。なつかしい機屋さんです。真ん中は証紙番号56番の洛陽さんです。すこし高いのですが、織りだしの魅力もあり、多くの方にご支持いただいています。最後は小森さんです。京都の実家から歩いて5分のところなのですが、若いころは格が高すぎて、こんにちは・・・とはうかがえませんでした。こちらは糸錦で織られていますから、唐織りと比べますとすこし生地が重くなります。山城さんはとても安く入りました。¥135,000、-。洛陽さんは¥180,000、-。小森さんは¥150,000、-です。いずれ劣らぬいい帯地でございます。

月に一度のわたしの楽しみ

 

 

 

 

 

 

みなさますでにご存知のように、私は今年中で引退の身でございます。年齢と持病のせいで責任を持った仕事は遠慮申し上げませんと大きなご迷惑をおかけする結果になるかもしれません。もうすでに京都のそれぞれのプロの方々にご紹介も済み、私を欠きましても大きくはご不自由のない状態にさせていただいております。写真は京都の染め屋さんが月に一度、東京に出張の折り、立ち寄ってくれます。その時に、創作を望まれるお客様や、新しい染め上がりなどを見たいお客様方が集まっていただいています。わたしは留守をいたしましても、みなさまお越しになられ、図案から創作なされたり、柄をお好みになられます。わたしも健康でしたら、参加させていただき、入院などで留守の時でもみなさまお集りなさっていただいております。いまはわたしの生き甲斐になりつつございます。お客様はいつにても京都まで染めにいらっしゃられるのですが、東京に居て、新鮮なきものに出会えますので、望まれる方々だけに、お越しいただいています。染め屋さんのご希望で、展示会ではありませんので、お一人かせめてお二人としかお目にかからないことにいたしてございます。本格的な染めの教室の面もございます。デパートの展示会などではわからない一流の職人の仕事を理解していただき、次の世代に伝えていただきたいと願って私が染め屋さんを口説き、望まれるお客様にお集りいただいております。わたしもまだ作品を見たい、求めたい・・・気持ちがございますので、おおきな楽しみでもございます。写真の後の方の三枚は、狂言紋と呼ばれる紋様の染め名古屋です。普通、織りの名古屋帯などでお能をなさる方々がお使いになられる帯なのですが、こちらのお客様が、染めで作りたいと半年ほど前から図案や染め方を詰めて、ようやく姿が見えてまいりました。ふつう、ゴム糸目ですと、地色が染めてある状態ですが、この染めは糊糸目(真糊)で作っておりますので、青花で帯地に直接図案を描いて染めてまいります。つまり、一点づつ創作する作り方になります。図案をなぞるのと違い、筆勢に力があり生きてまいります。この後、柄の部分に糊を置き、地色を染めて、刺繍などの加工を経て完成してまいります。まさに一期一会の帯地でございます。わたしも、参加させていただいている幸せに感謝しながら、勉強をさせていただいています。わたしが注文して創作をお願いしました、風神雷神の訪問着も染めあがってまいりました。近日中にごらんいただきます。

山口織物の唐織り袋帯、4柄

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山口さんは老舗の機屋さんであり、人間国宝の方をはじめとして数多くのすばらしい職人を育てている機屋さんでもあります。大きな機屋さんですから、ご覧いただいているような織機で織る袋帯から、手織りの袋帯や名古屋帯などいろんな種類の帯地を織っておいでです。山城さんと並んで唐織に関しては有名な機屋さんでもあります。この機は、地織りが軽く作られています。名古屋帯と変わらないくらい軽量です。また、唐織の特徴を生かして品の良い礼装の帯地として愛用される柄であり、織りだしでもあります。以前はわたしもたくさんの柄をお求めいただいてまいりました。最近は名古屋帯を含めて袋帯も私が気に入る帯地がなかなかございません。名門の品の良い袋帯としてご愛用頂きたいと思います。重い織りではございませんが留袖、訪問着、紋付の無地などの礼装に対応できる名門の帯地でございます。値段は¥98,000、-(別税)でお願いいたします。

 

 

 

 

捨松さん、手織り袋帯

 

 

稀には目の覚めるような帯地もごらんください。捨松さんの手織りの袋帯です。ご覧いただきますように、古典の格調の高い柄です。私のような古いタイプの者はこのような伝統を踏まえた流行のない帯地に魅力を感じます。手織りですので六通には織りません。太鼓と前の部分だけなのですが、柄は十分に織られています。重い織りで、留袖、訪問着、付け下げや場合によっては無地の紋付などにお使いいただきたい帯地です。最近は老舗の機屋さんでも、デザインを若い方々にアピールするように考え、軽い織りで新柄を出しておいでです。また、そういった帯地が好評だと買い継ぎの方などにはお聞きします。ご覧いただいているような帯地は、どちらかと申しますと古い感覚なのかもしれません。でも、100年たっても気品を失わない素晴らしい帯地だとわたしは思っています。値段は¥240,000、-(別税)でお願いいたします。わたしの感覚ではとても安いと思います。最近は織機で織ってももっと高い帯地をよく見かけます。

袋帯を名古屋帯に仕立ててみました。Ⅳ

 

坂下という機屋さんは今はございません。手織り以外は織らない有名な機屋さんでした。この帯も二十数万いたしました帯地です。わたしはこの帯を手に取っていただいて、糸の質、軽さやしなやかさ、締めたときの感じなどよくご説明いたしました。この帯はおしゃれを目的とした帯ですので、礼装の帯を織るときの糸遣いや織とは発想そのものも異なるのですが、スクイの高価な帯地はだいたいこのクラスの糸や織りになってまいります。わたしは結城の無地や単色の紬のおきものなどに合わせてお使いいただきたいと思っています。お仕立て上がり¥35,000、-(別税)でお願いいたします。

袋帯を名古屋帯に仕立ててみました。Ⅲ

 

この袋帯はある呉服屋さんの廃業の時に引き受けた品物です。中堅の機屋さんですが、糸もよく織も織機ですが、真面目な仕事をいたしております。みなさまの間で、結婚を控えて、名古屋帯がご入用な方や、お茶を始めようとお考えの方がいらっしゃいましたら、とても重宝でお役に立つ帯地だと思います。六通の柄になっていますので無地の紋付や付け下げに十分お使いいただけます。最近は名古屋帯を織る機屋さんが極端に少なくなってまいりました。業界の方向としては、手織りで相当凝った織物に仕上げて、高くお求めいただくか、粗悪な素材や織でも形だけの帯を作るか・・・の二者になってしまうのではないかしら・・とおもうような時代の変遷です。健康な実用的な中級品が作られにくい時代なのだと思います。どうぞご利用いただきたいと存じます。仕立て上がり¥35,000、-(別税)でお願いいたします。