千地さん付け下げ

千地さんのお父さんは著名な仏師の方です。息子さんは染色の道に進まれましたが、お父さんの影響を強く受けておられます。八掛の地紋が天女であったり、テーマも抑制されていて、華美を謳った感じはありません。一つの世界でしょうか。わたしはなによりも仕事の素晴らしさに魅了されました。糸目も彩色も見事・・・とおもいます。このきものは、裾の横段に特徴があり、強い個性を感じます。作家もの・・・と言われるきものは、多かれ少なかれこのような個性を打ち出しておられます。身丈を大きくとっておられ、裾の柄を縫い込んでも、身丈は充分なのですが、裾の横段はこの作家さんの命のようにも思いますので、切ってしまうこともできず、今日になりました。値段は¥50,000、-(別税)でお願いいたします。私の原価の数分の一ですが、できれば裾の柄を生かしてお召しいただければ・・・と望んでいます。

ボカシに吹き寄せ刺繍付け下げ

このぼかしに刺繍の付け下げは、十数色(ブルー、若草、ベージュなどの濃淡)作りましたシリーズの一枚です。刺繍は京都の竹屋町、生地は変わり無地に八掛は精華の重めです。刺繍は吹き寄せで、刺繍は特別に凝ったものではありませんが、昨年、この刺繡を別生地で再現してもらいましたが、とても高くなっているのにおどろきました。この付け下げを作りました目的は、お茶着としてです。お稽古にはすぎますが、お茶会におめしいただける紋付の上の格を目指しました。また、控えめの礼装として、出すぎない付け下げを作りたいと考えての作品です。刺繍はアップでご覧いただけると思いますが、さすがに竹屋町です。ベテランの手ですね。¥50,000、-(別税)でお願いいたします。

童子付け下げ

この付け下げは丹後の生産です。京都と丹後に工房を持ち、いまはもう存在していませんが、すばらしい付け下げや訪問着を作っておいででした。友禅の技術はすばらしいものがあります。童子の部分に限らず、袖の柄の枝ぶりや糸目の糊も技術的には素晴らしいと思います。わたしも地色の癖のある色に一瞬ためらったのですが、友禅の技量にほれ込んで求めたことを覚えています。生地も梨地ですが、いい糸をつかっておられます。どうぞきもの好きの方で、観劇やパーテイーなどの席に着ていただける方がございましたらお求めください。¥50,000、-(別税)でお願いいたします。品物は一流です。

京友禅、型染め訪問着

京友禅の訪問着です。たきちではただ一つの型染めの訪問着です。型染めは同じ着物をたくさん作るときにはコストを下げるのにとても有効です。型紙を当てて指定の色の糊をしごいて染めてゆけます。その分柄を複雑にしても手描きほどのコストにはなりません。この訪問着は、柄としてはとてもよくできていまして、品のいい豪華さもあり、多くの方にお使いいただけるとおもいます。わたしが手描きのものを中心に扱ってまいりましたので、型染めですよ・・・と申しあげますとみなさま他の柄を選ばれます。そのような次第で、今日まで残りましたが、もともと16万で発売していました。いまのプリントの染めとはまったく違い、きちっとつくられたきものでございます。一番下の写真は、上前の柄を裏から写しています。手描きですと表も裏もわからないくらい色が裏までうつるのですが、糊のしごきですと表だけ染めります。柄の立体感や奥行きに影響いたします。でも、それは、プリントの訪問着などなかったころの話で、写し友禅は立派なきものでございます。¥50,000、-(別税)でおねがいいたします。

みなさまたくさんの方にたきちのホームページを訪れていただき、心から感謝申し上げます。毎日、数十人の方とお目にかかっているのですから、呉服屋冥利に尽きると思っています。いまは、残った商品を原価にかかわらず安くお求めいただき、80歳にふさわしい小さな所帯にしたいのですが、同時に、呉服屋としてどうしても扱いたかった手作りの最高のものも手掛けておきたい・・・という思いと両方の間で毎日頑張っています。ありがたいことでございます。

綾竹、手組の帯その後

まことに残念なことですが、この帯ももう組んでもらえないことになりました。先日、ご注文で色を出して組んでほしいと頼んだのですが、もう組めません・・・と断られました。何度も押し問答をしたのですが、これだけ手がかかる帯はもういやだ!というのが本当の気持ちのようです。もちろん綾竹で組む帯〆と比べてあまりにも安すぎる・・・といわれるのはもっともなのですが、なによりもこの帯を組むのはやはり大仕事でしょうね。値段を出してもらっても組む気持ちはありません・・・といわれます。手織りの帯も次々と職人がなくなりわたしの住んでいた世界も小さくなってまいりました。このようなことはわたしはHPで申し上げることはないのですが、惜しく心残りで、お伝えさせていただきます。

加賀、百貫石峰作・訪問着

 

加賀の百貫石峰作の訪問着です。訪問着と申しましても、柄は付け下げの小ぶりくらいのさっぱりとした訪問着です。共生地で八掛を付けていますし、上前だけでなく脇縫いも柄が合っていますから一応訪問着ではございます。加賀の特徴を持った優雅な威張らない訪問着です。値段は小紋にも満たない価格です。将来このような付け下げがご入用と思われる方がございましたらお求めおきください。¥98,000、-(別税)でお願いいたします。

古浜ちりめんのボカシ訪問着

浜ちりめんの鬼シボ(古浜ちりめんと申しています)の生地にぼかしを染めました。むかし、わたしが京都と東京を往復しながら仕事をいていたころは、職人の意見を聞きながら染め出しをしていました。東京の滞在の時間が多くなりますと、悉皆屋さんにお願いして染め出すのですが、一人抜群の感性の方があり、長くお願いしていました。その方がなくなり、代わる人がみつからず長く作れなかったのですが、先年、わたしよりも優れたかたにお目にかかり、染め出しをしています。ぼかしは一点一点が創作ですので、地色と目色をだいたい指定して、後は指揮する人にぼかし方、色の取り合わせやぼかしの足などを一任いたします。柄を糸目を置いて丹念に手仕事を重ねて染めてゆく方法と違い、染めが生きるかどうかは一瞬できまります。職人と悉皆屋さんの呼吸です。派手さは少ないですが、上品な少し控えめな訪問着です。お茶席や観劇、また、お能の席などにお召しいただきたいと思います。上前や肩にテーマを決めて刺繍をなされ、すこし豪華に演出なさっても素敵なきものになります。(源氏香の模様と草花のとりあわせなど)以前は老練の呉服屋さんたちが好んで色を競って作っておられましたが、最近はほとんど作られていないように聞きます。たきちの自信作です。¥165,000、-(別税)でお願いいたします。