手描き小紋逸品二点

藤本小紋-500藤本・手描き小紋ベージュ地-500裂取寛文広い絵-500藤本・手描き小紋-500裂取琳派・折返し部分-500

しばらくご無沙汰いたしておりました。帯や附下など、ご注文いただいて、誂えで作らせいただきましても、図案の段階からすべてお客様のものですから、ご覧いただくわけにはまいりません。また、染め屋さんもリスクを冒して意欲的な作品を作ろうとは思わない時代でもあります。ご覧いただいている小紋は私が注文で作った品物ではないのですが、一目見まして強引にお願いして求めました。このような染めに挑戦する染め屋さんもまだあるのです。ご覧いただいたように、糸目を置いて一反総柄を手描きで染めています。ロウケツや濡れ描きで一反通しで染めることはあっても糊を置いての染めはなかなか手掛けにくいものなのです。いちばん下の写真の折り返した裏の部分をご覧いただきましても手描きの味わいをご賞味いただけるとおもいます。下のこもんは裂取琳派、上の柄は裂取寛文と名前が付けられているのですが、上の小紋は職人がもう勘弁してほしい・・・こんなに重い加工はもう結構・・・・と言いまして・・・ということで、ただ一点で終わるようです。インターネットには出さないでほしい・・・と言われていたのですが、このような作品はやはり多くの方の目に触れるべきでは・・・・とお願いして、値段も作者も不詳のままご覧いただきます。楽しんでいただければ幸いです。