菱健の小紋Ⅲ

 

 

左端の小紋は葵の葉を小さく散らした上品なこもんです。生地は760gと少し重いのですが、新年のお茶席をイメージして3色染めたなかの1点です。地色はグレーですが、すこしグリーンが入っているようにも見えます。葵の葉は簡単ですが摺り染め加工にいたしてございます。希望とおり品の良い染め上がりになりましたが、わたしが極端に狭い世界を表現しようとしたのかな?と反省しています。でもさらりとして、これ以上色を抑えたり、柄を少なくしたらきものにならないほど余分を削いで染めました。わたしは気に入っているのですが、たしかに需要としては少ないのかな・・・?とおもっています。中央は地色を替えて染めた丸紋の小紋の中の1点です。生地をすこし目先を変えて大鳳さんの緞子地を使ってみました。地色もベージュに藤を挿したような柔らかい色です。右端は五泉の小熊の生地を使った鷺草の柄の夏の小紋です。五泉の小熊さんはしょうじき生地はいいのですが、とても高いのです。八掛の精華の生地でも以前は求めていたのですが、使い切れない感じでした。糸つかいはたしかにいいと思います。この夏物が一番原価は高く、わたしにはつらい値下げです。いずれも¥30,000、-(別税)でお願いいたします。