職人の世界

今日は、手描き友禅の最前線の職人の一人の方に登場していただきます。以前から女性の素晴らしい感性の職人がおられると言われ、その作品も多く拝見していました。この後の写真のお客様のきものをこの人に染めてほしい・・・と指名してお願いいたしました。おめにかかってこの方でよかった・・・と思いました。気性が穏やかで、感性が豊かで粘り強いなど大切な面を多くお持ちの方でした。染め屋さんとは30年のお付き合いだそうで、(まだ30年なのですが・・・と染め屋さんはいわれますが)大切な仕事を任せれる人だと信頼しておられるのがよくわかりました。一番下の写真をご覧いただきますと、色出しした布の束が見えます。この色本はいわば辞書のようなもので、染め屋さんと挿す色を決めるときのたたき台になる貴重な資料です。この日も、下前に柄の名前とお客様の名前を入れる部分の色を決めるとき、一目で的確な判断をして、いい色をすすめていただきました。このきものは色留袖の図案を下に、訪問着を染められるのですが、大作です。職人さんとお召しいただくお客様が会えますと、色挿しもお似合いと思える色になってまいります。とてもよかったとおもいます。いままでも、このような誂えを染めるときには、写真を添えてお願いすることが多かったのですが、このように会ってもらえたのはとて運がよかった・・・と改めて思いました。