染め帯・うつぎ

塩瀬の染め帯、うつぎでございます。地色がアイボリーのすこし濃いめの色ですが、写真ではなかなか表現できない微妙な色です。多くのきものに合いやすい地色でございましょう。この職人の手になる帯は、わたしはいつもながら見とれるほど好きなタッチで、満点星つつじも傑作だったと思います。値段はたきちまでお問合せください。みなさま意外と思われる値段でお求めいただけます。

先日、京都で染め屋さんや機屋さんを回ってみたのでですが、数年前とあまりの変わりように、ちょっと考え込んでしまいました。どちらさまも出来上がった製品が極端に少ないのです。一方、プリントのきものはどこもあふれるほどの在庫量でした。帯も、大量生産する機屋さんは在庫が多いようですが、手機の機屋さんはほとんど在庫がありません。買い継ぎの方に聞いても、三本ある在庫を、色柄がもう一つ・・・と言っている間に、他の人が求めていかれる状態です・・・といわれるほど生産が少ないのです。手織りの職人が老齢で引退した後を継ぐ職人がいないことが大きな原因でもあるようです。買い継ぎの方でも、注文して作らなければ物が確保できません・・・と言われます。たきちも小さい規模ながら注文してものつくりをしています。とても難しい時代になってまいりました。