帯屋捨松、八寸夏帯

帯屋捨松さんの六通柄の夏帯です。昨年、わたしはとても多忙で夏帯は求めたままお越しいただいたお客様にもご覧いただく気持ちの余裕がなく、ほとんど在庫で終わりました。今年の夏帯は残すことはできませんから、値段を下げてお求めいただきたいと思っています。¥75,000、-(別税)でお願いいたします。上の柄は白地で、下の柄は地色がブルー地です。

この帯は丹後で織られています。織り手の方は80歳を過ぎておられ、いつ織れなくなってもしかたない・・・なか、一年を通してこの帯だけを織っておられるとのことです。年に40本か50本か、(わかい織手ですと夜なべしても80本くらいは織れるかもしれませんが)それくらいの生産量でございます。若い人が織り手として立候補するためには、夢と希望が必要だと思います。いま、つづれなどの手織りの帯に参加なさっておられる新人の多くは、美校などを出て、好きで入ってきておられます。受け入れる機屋さんも、自由に制作してもらえるよう配慮しておられます。価格もそれなりに高額になります。そこまでいかなくても、この写真のような、美術品を目的にしていない工芸品にもそれなりに光を当ててやっていただきたいと思います。じっさいに多くの方にお使いいただける中心になるのは、このような良質の手つくりの帯地なのです。裾野が豊かでなければ高い山の頂も砂上の楼閣になってしまいます。捨松さんにかぎらず価格の比較的低い良質の帯地にもぜひご支援をいただきたいとおもいます。